コロナ不況でのインバウンド需要減少に悩む企業も多い中、逆転の発想で「インバウンドが無いなら在日ムスリムにアプローチすればいい」と意欲的に拡販に取り組む企業も存在します。
今回は、ハラール認証を取得した大番鮨(東京都)の在日ムスリム向けマーケティングの取り組み事例について紹介します。

HBOの無料相談へ依頼されたきっかけ

金曜日昼に毎週行われる集団礼拝に合わせて用意された、ハラール認証済の握り寿司。
金曜日昼に毎週行われる集団礼拝に合わせて用意された、ハラール認証済の握り寿司。

今回依頼いただいた理由は、ハラール認証を取得を検討されているとのことで依頼をいただきました。ご依頼内容をヒアリングしている中で、認証取得後の活用方法などもお悩みになられていたので、そちらもアドバイスさせていただきました。

多くの企業にとって、ハラール認証の費用感というのは実はそれほど大きな問題ではなく、その先にある「ハラール認証取得後にどうやって顧客にリーチ・アプローチすればいいのか」というマーケティングの具体策のほうが重要です。

大番鮨の社長、椎名さんがハラール認証取得に踏み切る決心がついたのは、当サイトの「ハラール認証無料見積もりサービス」への申し込みがきっかけでした。認証費用の話だけではなく、認証取得後の販売手法アイデアや、市場の見込みなどについても認証取得前から専門家が丁寧に、かつリアルなハラール市場での販売経験をもとにアドバイスが貰えた事で、希望ある未来が描けた、と椎名さんは言います。

HBOでは、提携する日本人経営のハラールショップでの試食会を含めた様々な即実行可能なマーケティングプランを無料でアドバイスする事で、大番鮨のハラール認証取得に貢献した形となります。

【下見から実施準備】ショップ、モスクとの連携

大番鮨のハラール認証自体は、下記の理由で、比較的スムーズに進めることが出来ました。

  • 「持ち帰り鮨メイン」であった。
  • メニュー(材料)が明確である

そして認証取得と並行して、試食会を行う西千葉モスク階下のハラールショップへの現地の下見と打合せも、数回行ったそうです。

【打ち合わせでわかったこと】お寿司にチリソース!

もっとも衝撃的だったのは、ハラールショップスタッフ(インドネシア人)から

「私たちはお寿司を食べる時、チリソースをかけます」

と言われたということでした。

普通のお寿司屋さんが聞いたらその場で怒って帰ってしまうような、日本ではありえない食べ方ですが、大番鮨の椎名さんは「そうなのか!」と素直にお客様の声として受け止め、その日のうちにハラールショップで売れているインドネシアブランドのチリソースを沢山買って店に持って帰り、味を研究したそうです。

また、モスク階下のハラールショップでの試食会実施という事で、モスク側の協力も取り付ける事を事前に行いました。具体的には、ハラールショップのムスリムスタッフを通じて、友人であるモスク運営者に相談し、「8月末金曜日の集団礼拝の日に、1階ショップでハラール鮨の試食会をやるから、皆に教えてあげて下さいね」と根回しを行ってもらいました。これにより、当日の実施を待つだけとなりました。

【試食会当日】不安と期待が入り混じる中、結果は・・・

大盛況のハラール鮨試食会の様子。集団礼拝に来た殆どのムスリムが試食に参加、「おいしい」を連発。
大盛況のハラール鮨試食会の様子。集団礼拝に来た殆どのムスリムが試食に参加、声を揃えて「おいしい」満足な様子。

結果は、大盛況&大成功でした。

当日は朝からゲリラ豪雨でモスク周辺道路が冠水するなどの悪天候でしたが、集団礼拝には約40名のムスリムが参加していました。大番鮨チームも朝早くからハラールショップに入り、「本当に食べてくれるのかな……。」と不安も抱えつつ、お寿司の準備を着々と進めました。

生もの苦手な外国人の方向けに、下見で購入したインドネシアのチリソースをしらすおにぎりに加えた「チリボール」も用意し、万全の体制で礼拝の終了を待ちます。そして、モスクでの告知もあり、続々とハラールショップにたくさんのムスリムのお客さんが流れ込みました。
※コロナ対策は万全の状態で密を避けつつ実施しました

ハラール醤油とチリソースをテーブルに置き、お客様に自分で選んでもらう方式でしたが、予想通りチリソースを選ぶムスリムも非常に多かったのが印象的だったと椎名さんは言います。「日本の常識にとらわれず、醤油とチリソースも用意しておいて、本当に良かった」と。

ムスリム外国人といっても、インドネシア・マレーシア・パキスタン・バングラデシュ・インド・セネガル・トルコ等、多くの国籍の方が訪れ、まさにワールドワイドなテイスティングリサーチを行い、ムスリムたちの生の声と反応が見れて、泣きそうに嬉しかったと後に椎名さんは語ってくださいました。

とくに印象的だったこととして、

生ものも大好きなムスリムが多かった

ということを知ることができました。

ハラール寿司をずっと食べたかったんだ!という喜びの声、そして「こんな素敵な試食会を用意してくれてありがとう」という感謝の言葉でした。中には「日本の寿司はハラールじゃないから怖かったけど、ずっと食べたかったから、このハラール寿司が生まれて初めて食べるお寿司です。最高です!」と言ったムスリムも居ました。

結果、用意した50名分のハラールお寿司は、30分を待たずして完食となる、大成功を収めました。

ハラールショップのスタッフによると、「来月もまたやるの?笑」と、次回を期待する声もお客様から多かったといい、大番鮨のハラール寿司はモスクでいきなりトップ認知度を獲得する事となりました。

【その後】さらに在日ムスリムへ届け、次は世界へ

試食会を大成功で終えた椎名さんは、そこで立ち止まりません。次は、大番鮨店舗(東京都内JR平井駅徒歩5分)へのムスリム誘致を着実に準備しています。

まずは、ハラールショップのノウハウを聞いて即実行したのが、

「Googleマップビジネス」での英語情報、商品情報掲載です。

多くの在日ムスリムは、ハラール食品、ハラールレストランをGoogleマップで、しかも英語で探している事を、意外と日本企業は知りません。大番鮨でこの取り組みを9月から始めた所、なんと1週間に3000以上の検索数が初月から達成することが出来ました。実は、JR平井駅周辺商店街には、ハラールショップとレストランが数か所すでにあったので、ムスリムが周囲に住んでいたり、訪れる事がこの取り組みでわかってきました。

そして、注目度が上がってきた所で、今度は下記のような英語チラシを作製して、店舗の近所や郵便局などに設置する施策をハラールショップと提携して準備中だということです。

大番鮨が店舗周辺で設置予定の英語チラシ。ハラールショップと提携する事でムスリムの興味をより強く引き付ける狙い。
大番鮨が店舗周辺で設置予定の英語チラシ。
ハラールショップと提携する事でムスリムの興味をより強く引き付ける狙い。

更には、HBOの海外販路支援サービスと政府の補助金を最大限活用し、シンガポール現地スーパーでの販売にも取り組んでいきたい、と精力的にマーケティングを続けているとの事。

「コロナでインバウンド旅行客が無くても、やれる事は一杯あるし、試食会であんなに沢山のムスリムから笑顔でありがとうを貰ってしまったら、もっと届けるしかない!」と大番鮨の椎名さんは、コロナを吹き飛ばす勢いで快進撃を続けていく意気込みを語ってくださいました。

大番鮨(持帰りハラール寿司あり)平井南口店
https://www.ooban-sushi.com/
〒132-0035 東京都江戸川区平井4丁目5−2

HBOハラール認証費用見積

認証取得後の販売戦略等の

無料相談はこちら↓↓

ハラール認証費用 即時無料見積サービス