ハラール市場を調べる時、なぜ多くの日本人が「困難だ」「難しい」と考えてしまうのかについて、いくつかの間違いパターンがあります。今回はその日本人が陥りがちな間違いパターンを一緒に考察することで、落とし穴にはまることなく、ハラール理解を最短の道で進められる助けになればと思います。
では一緒に見ていきましょう。

※ぜひこちらの記事もご参考にください。
【関連記事】ハラール認証の取得は難しくない【3分で完全理解】

ハラール=神聖な神事的ルールと難しく思いがち

極論を言いうとハラールとは、

ISO基準に近い、生産プロセスにおける不要なものが混入しない事を証明する、サイエンス的な仕組みです。

日本人にとってイスラム教はあまり触れたことのない宗教ですから、なにか神秘的なお祈りや手続きをハラール認証の時に行っているのではないか?と想像している方もいます。
実際に監査で見られているのは、


・製造工程の合理性
・混入(コンタミネーション)が起こらないこと
・整理整頓されていること

など、食品や日用品、化粧品の製造販売において基礎となるものばかりです。

ハラール認証の取得にはムスリム社員の雇用が必要?

ハラール肉のためのと殺など、特殊なごく一部の職種を除いて一般的な企業の製品製造においてムスリム社員を自社で雇用する必要はありません。
海外のハラール認証団体に相談した企業から「ムスリム社員を雇え」と言われたという相談を受けたことがありますが、ムスリム社員の雇用はハラール認証取得の必須条件には入っていません。
日本の多くのハラール認証団体は、企業がムスリム社員を雇用する代わりに、イスラム教およびハラールに関する全ての管理を委託する契約を認証時に結ぶことになっています。
そのため日本企業が強制的にムスリム社員を雇用する必要はありません。

イスラム教の宗派でハラール基準を考慮しないといけない?

ハラールに限った話ではありませんが、どんなルールにも「特殊ルール」、「地域ルール」そして「例外的」なものは存在します。
たしかに、「イスラムのある少数派では例えばXXX(甲殻類・魚類の一部)を食べてはいけない」といったものも存在する事があります。
この点について迷った場合は、

ハラールをマーケティング市場として考えた場合、その特殊ルール・例外ルールが存在するターゲット層が自社の主力市場なのかについて考察

すると良いでしょう。

仮に、「イランのあるイスラム宗派(少数派)のみに魚介類の一部はハラール商品に使用できない」というルールが存在したとします。その場合に大切なのは、「自社としてそのイランの一部ムスリムが販売のメインターゲットなのか」という点について検討することです。
狙いたい市場がメジャーなムスリム宗派で狙いたい国がインドネシアやマレーシア、または日本国内のムスリムであった場合、その「例外」にあたるごく一部の消費者に提供できない事で発生するロスは、多くの場合考慮するに値しません。

この場合、日本企業のマーケティング担当者が検討すべき点は、


・自社がもっとも簡単かつ最短でハラール認証を取得した際に、どの位のムスリムをマーケットとして対象にできるか?
・自社が狙いたいムスリム市場に対して最大公約数的なハラール認証を取得するには、製造工程や材料にどんな変更が必要か?

の2つです。

専門家に聞くのが早い

日本人がハラールやイスラム教についての情報収集を行う際に、一番多いパターンは「知り合いの日本人に聞く」で、その次に「周囲に居るムスリムに聞く」です。

これが間違っているとは必ずしも思いませんが、御社にとって最短の道からは遠く外れてしまっていて、遠回りになっているケースが多いのは事実です。

ハラール認証についてもっとも詳しいのは、ハラール認証団体の監査員です。
そして、

日本企業向けに日本で監査・認証を提供していて、日本語で打ち合わせ・相談できるハラール認証団体が、日本人にとって最適な相談相手となります。

海外の有名なハラール認証団体に聞いても日本特有の製造工程や材料についてよく知らないため、本当は使用OKでもその団体が知らないから疑わしいものとしてNGになってしまうケースも考えられます。

認証取得前であってもハラール認証団体に質問をしてみる事で、認証自体の流れやコスト感についても知ることができます。
ここは無料で活用しない手はありません。

また、周囲にいるムスリムの知り合いも、必ずしもイスラム教について、ハラール認証について100%理解しているかについては疑問です。というより、100%理解していない事が殆どです。

「日本人が全員寿司を握るプロではない」

という例えが、最も適格ではないかなと思っています。
ムスリムも、ハラール食品が見つからないときは状況に応じて自己判断で食品をチェックし、ハラールマークのついていない食品を口にすることもあります。
この自己判断の部分は、個人差が大きくなるので、ハラール認証のプロではないムスリムにハラールの事を聞いても、あくまでも「その人の考えるハラール」しか知ることができません。
日本企業のハラール認証取得にとって、逆にその人の自己判断情報が遠回りになることもあります。

日本語で日本にあるハラール認証の専門家に聞くのが一番日本企業の実情も知っているので近道

です。

まとめ

自分の会社がハラール認証取得の見込みがあるのかどうか、最速最短で聞く方法は日本のハラール認証団体に質問することです。

ただし、どのハラール認証団体に問い合わせすればいいのか、最初は戸惑ってしまったり、調べるのに時間がかかるケースも多いかも知れません。

いきなり認証団体にアクセスするのは躊躇してしまうような場合には、HBOのお問い合わせサービスを活用して認証団体に間接的に質問を投げることも可能です。

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日々日本企業から様々な質問を受けて、認証団体の専門家やハラールマーケティングの専門家の回答をお繋ぎしているHBOを活用いただけると、ネット上に転がるデマ情報や「ハラール認証取得は難しい・高い」といったネガティブな噂に惑わされず、自社の最短最適な取得方法や、認証取得後のマーケティング戦略などについても無料で相談することができますので、ぜひ相談相手としてご活用ください。