ハラールビジネスと聞けば、食品や化粧品などの企業が費用を投じてハラール認証を取得し、大規模なマーケティング活動を準備しながら企業規模で行っていくビジネスを想像される方も多いと思います。
しかし、在日ムスリムを対象とした「個人でも在宅で出来るハラール副業ビジネス」も存在します。

今回は、在宅で個人でもほぼ投資ゼロで行える、副業として行うハラールビジネスについて紹介します

増え続ける、在日ムスリム生活者

他の記事でも紹介していますが、在日ムスリムの数は増加傾向にあります。地方工場など労働力が必要とされる職場に、ムスリムが労働ビザを取得しどんどん日本に来ています。

SALAM117ショップにも、こういった新しく日本に来たムスリム労働者が、土日の休みを利用して遠くからハラール食品を買いにこられます。
以前からムスリムが集まって暮らしていた地域とは違い、彼らの労働生活環境にはハラールショップが殆ど無いため、電車で往復3時間かけて来るような方も少なくありません。
彼らにとってハラール食品は、空気と水の次に当たり前であり毎日必要なものなのです。

ハラールECサイトの需要増

コロナ禍の影響もあり、ハラール食品のオンライン売上も激増しています。
筆者が運営するハラールショップSALAM117も店舗売上もコロナが流行する前と比べて1.5倍、多い月には5倍近くオンラインでの注文が来ます。
オンラインショップ(EC)を始めてわかったことは、北海道から沖縄まで、日本のあらゆる地域にムスリムの方々が生活しているという事です。
そしてムスリムが毎日3食必要なハラール食品を購入する事が日本でどれだけ難しいのか改めて知りました。

個人でも出来るハラールEC副業

現在存在しているハラールECを見てみると、我々salam117のようにアマゾンや楽天のようなアフィリエイトプログラムを提供しているサイトもあります。

アフィリエイトプログラムは商品やカテゴリーのURLを貼って、そこからの購入に対し謝礼が貰える仕組みです。

しかし、ムスリム向けのビジネスの場合は、そもそも日本に住んでいたとしても日本語のWEBサイトでネット記事を読んでいる対象者が少ないこともあり、日本人向けのアフィリエイト施策行っていても大きな成果に結びつけることは難しいです。

準備コスト0で始められるFC型副業

salam117でおすすめしているパートナーシッププログラムは、「FC型ビジネスモデル」です。
FCとはフランチャイズのことを指します。

オンラインショップ(EC)の立ち上げには通常、以下の環境が必要になります。

・在庫の仕入管理
・倉庫の確保
・受注業務
・梱包
・配送業務
・顧客対応業務

これらを運営するためには、大きな準備金とランニングコストが掛かります。
「FC型ビジネスモデル」とは、

これらのコストを「0」にする月額わずかのサーバー費用のみ負担して売上利益を得ることができるビジネスモデルです。

ハラールショップsalam117のFC型ビジネス

SALAM117
ハラールショップSALAM117西千葉の外観。西千葉モスクの1階にあり、毎日お祈りに訪れるムスリムの姿が絶えず見られる。現在はコロナの影響もあり、カフェの営業は中止しており、食品の販売のみとなっている

プランによっては、ECの立ち上げ自体もsalam117側で代行するので、月々自分でやることで必要なのは集客の広告業務だけです。(集客業務も代行するフルサポートプランも用意)
ドロップシッピング型の究極形ともいえるかも知れません。外国語による顧客サポートも全てお任せが可能です。

在日ムスリムのオンラインショップ需要

需要に関して言うと、日本に来ているムスリムは日常の買い物に大変な苦労をしています。スーパーなどにわずかに存在するハラールマークが付いている輸入食品をわざわざ探し出して購入しています。
都心はまだしも、地方のスーパーに行くとハラールマークが付いている輸入商品はより少なくなるので、適切な価格で豊富な種類のあるオンラインショップ(EC)に注目が集まります。
※ハラールマークについてはこちらの記事をご覧ください。
【関連リンク】ハラール認証とは?【概要から運用まで完全理解】

ムスリムの1日3食はハラール食品を求めている

毎日3食分の食事を30万人のムスリムが必要としています。

1食あたり500円かかるとしたら、1年で約500億円、月間40億円の市場規模になります。(実際はもっと多い)

30万人に対しシェア率0.1%以下の空白市場

月40億円市場に対し、トップ店舗でもわずか月額数百万円、シェア0.1%以下という状況が続いています。
購入単価は送料無料になる6000-7000円が平均と高単価であることも、ムスリム市場の特徴です。
とくに日本の地方に住むムスリムは、ハラール食材が多くなく、種類の豊富なオンラインショップで購入する事が必須となってきています。

まとめ

これらの状況から、在庫から発送・顧客対応まで完全お任せ型のドロップシッピングモデルで後発参入しても十分副業として美味しい市場である事が見て取れます。FacebookやGoogleでの英語広告を少し駆使すれば、すぐにムスリムへのアプローチが出来る事も参入障壁を低くしている理由のひとつです。(日本で在日外国人を対象としたリスティング広告はまだ多くないため、効果が高い)


プロフィール
菅野幸介氏(Islamic Food Consulting代表)

菅野幸介氏のプロフィール画像
菅野氏経歴:日系大手電機メーカーのエンジニア、上場経営コンサルティング会社の中国支社立上げ及び日本企業の海外支社業績Up支援などを経た後、熊本にある通販系高級基礎化粧品のグローバル事業責任者として「熊本に居ながら世界に売る」手法を洗練する中でハラールと出会う。認証取得に立ち会わなかった為、当初のハラール認証に対する印象は「懐疑的」でしかなく、認証団体も詐欺のようなものだと捉えていたが、ハラール市場についての展望と具体的展開手法を認証団体理事と質疑応答する中で、ハラールという市場性を確信し、独立を決意、「日本ハラール商品を海外市場に売る」事に特化したIslamic Food Consultingの代表に就任、現在に至る。
シンガポール・中国・バーレーン・オマーン等のハラール市場バイヤーとの直接取引の他、自身が顧問を務める西千葉モスク1階のハラールショップ「SALAM117」の経営を1か月で劇的改善させ、売上5倍+黒字化達成に導くなど、机上の空論ではない実弾と実績をベースにしたアドバイスは認証取得後の日本企業からも定評がある。