ハラール(ハラル)市場、ハラールビジネスという言葉が日本でもよく聞かれるようになってきました。
しかし、ハラール市場についてまだタッチしたことのない日本人からすると「ハラール認証は取得したほうがいい?」「取らないといけない?」「そもそもハラール認証って?」とお悩みの企業も多いかと思います。
- 「ハラール認証を取るべき企業」
- 「取得したほうが良い企業」
というものが存在することもまた事実です。
裏を返せば、ハラール認証を取得しても、現状の問題が解決しないこともあります。
今回は、ハラール認証を取得すべき企業について解説します。取得すべきか悩まれている企業担当の方はぜひ参考にください。
認証取得すべき企業
では、ここでハラール認証を取得すべき企業をご紹介しましょう。
もし我が社はハラール認証を取得しようかお悩みでしたらご参考にください。
ムスリム主要国への海外進出を検討中の企業
ハラール認証を取るべき企業の条件としては、海外市場、ムスリムが多い国への進出を考えているケースです。
この場合、現地のハラール認証を取得してしまう方法もありますが、現地でのハラール認証取得には、
- 「言葉の壁」
- 「商習慣の壁」
- 「相場感の把握」
など、現地工場での生産は上記3つの障壁があります。企業によってはとても大きな参入障壁になりえます。
上記の項目にご不安がある場合は、少なくとも半年から数年間は、日本でスムーズにハラール認証取得し、現地での販路開拓やテストマーケティングを行うことをおすすめします。
テストマーケティング中にターゲット国が変わる可能性なども考慮し、現地での認証取得は後にし、日本でハラール認証を取得してテストマーケティングを行い、しっかりと調査したうえで現地で取得するという進め方がありますのでこちらの検討をおすすめします。
ムスリム旅行者のニーズを狙いたい企業
コロナの関係で冷え込んでいる海外からの旅行者需要ですが、コロナ安静後に最も日本が期待しているムスリムニーズはこのインバウンドだと思います。
オリンピックは来年に延期されましたし、大阪万博も数年後に控えていることから、
今後も日本企業にとってインバウンドxムスリム旅行者のニーズはぜひとも狙いたい市場ではないでしょうか。
多くのお土産が並ぶ中、ムスリムの最初の視点は、やはり「ハラールマークの有無」になります。差別化のためにも、この場合はハラール認証を事前に取得し、在日ムスリム等の意見を聞きながらベストな商品を準備していくことができるでしょう。
在日ムスリムにアプローチしたい企業
コロナ情勢でも全く影響を受けずに、毎日需要が続いているのが、実はこの在日ムスリム消費者層です。
彼らは毎日ハラール商品を購入して消費しています。海外進出せずとも、インバウンド旅行者の再来を待たずとも、ハラール商品を彼らに今すぐ届けることができるのです。
在日ムスリムのコミュニティはとても密なものなので、口コミや友人紹介を通じて、受け入れられた商品はあっという間に広がります。
そして、彼らの日常的な買い物リストに入ることができます。
もちろん、彼らが購入している販売チャネルに乗ることが条件にはなります。
国内で販売不振の商品は売れるか?
たまに、「国内市場での売れ行きが下降気味なので、ハラール市場に参入して売上の挽回をしたい」という相談も頂きます。
新しい市場でシェアを取って売上を増やす、という考え方には賛成ですが、市場が異なるということは消費者の特性が違うことも忘れてはいけない要素です。
「日本の味、日本のこだわり、伝統……。」
そういったものが全く魅力的に感じない層かも知れません。
もちろん、全く響かないわけではないのでしょうが、そういった日本人が良しとするポイントが、ムスリム消費者にとってPRポイントにならない可能性
も考慮、というか覚悟して挑む必要があります。
とくに味、に関しては、日本の商品の味は「薄すぎて味がしない」というムスリムの声も多いです。
時には、日本向け商品をリニューアルして、ムスリムに合わせて思い切った「味の脱皮」を行う必要が出てくるかも知れません。
- ムスリムに日本企業のこだわりを押し付けたいのか?
- ムスリムに喜んで買ってもらう商品を届けたいのか?
どちらの道で行くのかは、あらかじめ決めておくべき事項です。
ハラール認証取得後はそれなりのマーケティング活動をおすすめ
ハラール認証の取得は、ムスリム向けに商品を販売する上での最低条件ともいえます。
ハラールマークがあるか無いかで、「ムスリム消費者が商品を手に取ってくれる」かがほぼ決まるからです。
ただし、それだけで商品がバカ売れするわけではありません。
当たり前かも知れませんが、ハラール市場の中でもまた、正常な競争は行われています。
- マーケティング費用
- プロモーション費用
というものを考慮していないと、ハラール認証を取ったのに(その後プロモーションの努力をせず放置したあげく)売れない、という結果が待っているのは、ハラール市場に限ったことではありません。それなりのマーケティング活動は必要になります。
ハラール認証を完全理解しよう
ハラール認証にもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
- 【関連リンク】ハラールとは?結局何なのか?
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著者プロフィール

菅野幸介 氏(Islamic Food Consulting代表)
琉球大学農学部卒、キャリアの殆どを海外市場で過ごし、業績アップ専門経営コンサルタント・化粧品会社の海外事業等を手掛けるうちに、日本製品xハラール市場の可能性に気づき、2018年に独立、現在ハラール専門のマーケティング会社Islamic Food Consulting代表。