マレーシア:ハラール・ミスマッチ、不均衡な貿易収支

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マレーシア:ハラール・ミスマッチ、不均衡な貿易収支

マレーシアのハラール産業推進機関代表を最近退いたJamil Bidin氏によると、現在マレーシアにおけるハラール食品の輸入量と輸出量の間にはミスマッチがあり、この問題に対処する必要があるという。

農業・農業関連産業省の副大臣によると、昨年のマレーシアの農業食品輸入総額は520億 リンギット(約1.3兆円)に達した。これに対し、2017年のハラール食品の輸出額は、HDC(Halal Industry Development Corporation)によると434億リンギット(約1.1兆円)となっている。

Jamil Bidin氏は下記のようにコメントを行った。
「このような状況のため、政府には輸入を減らすことができるよう食品業界の発展にもっと力を入れてほしいと考えている。

500億リンギット(約1,250億円)の輸入総額のうち、ハラール食品が圧倒的な割合を占めている。私たちはこれに迅速に対処する必要がある。その方法は、地域の中小企業を育成することだ。

ハラール製品を年間450億リンギット(約1,125億円)輸出する場合、その75%以上は多国籍企業から来るものであり、しかも彼らはそのうちたったの10%しか製造していない」

東南アジア諸国連合(ASEAN)に加盟する10カ国が協力して地域のハラール経済を発展させることができればいいが、実際には各国がそれぞれ活動しているのが現状である。

ムスリム貿易を活用するための政府戦略の一環として2006年に自ら立ち上げたHDCに13年間務め、昨年退職したばかりのJamil Bidin氏によると、ハラールの経験を持つマレーシアは、各国の強みを生かして共通の戦略を作り上げるようASEAN諸国を促す上で主導的な立場を取ることができるという。

マレーシアは認証における専門知識に注力し、東南アジアの穀倉地帯であるタイは生産に重点を置いてもいいかもしれない。巨大なムスリム人口を抱えるインドネシアもその過程で何らかの役割を担うことになるだろう。

「隣国をライバル視してはいけない。世界のハラール市場における(需要と供給の)ギャップはあまりにも大きく、1つの国だけでそのギャップを埋めることはできないからだ。

ASEAN各国で協力すれば、世界に向けたハラール製品の主要生産者となれるだろう。インドネシアは最大のハラール消費国である。ASEAN諸国が個別にではなく、ひとつの事業体となって協力し合えば、ここから利益を得ることができるだろう」と、Jamil Bidin氏は語った。

< Sigamp’s Eye >
編集者解説:基本的にハラール市場ではまだまだ需要と供給のバランスが、需要過多に傾いている状態である。ハラール認証においては世界的に有名で、政府主体のシステムをいち早く作り上げてきたことで成功したと考えられているマレーシアでさえも、1,200億円以上ものハラール食品を自国に輸入しているというのだから、その他の国も含めて、どれだけ需要がまだまだ見込めるか想像に難くない。鍵となるのは、ムスリムが買いやすい商品とは?というポイントを日本企業がいかに研究するか。