サウジ外務省は2月27日、ウムラやメディナの預言者モスク訪問目的での入国を一時的に停止すると発表した。
またコロナウイルス感染拡大確認地域の観光ビザ発行についても一時的に停止している。声明には特定の国は指定されておらず、「サウジの有能な医療当局の判断基準に拠る」としている。
同省は新型コロナウイルスの流入と拡大を防ぐために積極的な予防措置を採っているとし、サウジ市民に新型コロナ感染拡大地域への渡航自粛を呼びかけた。
#Statement サウジへの新型コロナウイルス(#COVID19)の流入を防ぐために積極的な予防措置 pic.twitter.com/fuBAWq19Du
— 外務省 🇸🇦 (@KSAmofaEN) 2020/02/26
サウジの決定は、WHOによるとアルジェリア・オーストリア・クロアチア・スイスの新たな4カ国で新型コロナへの感染が確認されたことを受けて行われたという。
サウジ近隣諸国のコロナ感染者状況(2020/2/26時点)
2月26日時点でサウジに感染者は確認されていないが、近隣諸国では増えており、WHOのデータによると以下の通り。
- イラン:95人
- バーレーン:26人
- UAE:13人
- クウェート:12人
- イラク:5人
- オマーン:4人
- アフガニスタン:1人
- エジプト:1人
- レバノン:1人
サウジのハッジ省によると、2018年9月11日から2019年8月2日のヒジュラ暦1440年には7,457,663名の巡礼者がウムラを行った。
< Sigamp’s Eye >
編集者解説:サウジの経済にとっても非常に重要であるハッジ・ウムラ等のイスラム教における巡礼インバウンド需要が今年は大幅に減少する事は確実である。各国のムスリムは、聖地を訪れるために毎年抽選に当たるのを心待ちにしているが、今年はそれが叶いそうもない。同様に、もうすぐ始まるラマダン(断食)明けのイフタール・パーティも、今年はソーシャルディスタンスを意識するため、どのような形で行われるのか、各国のムスリムの議題となっている。
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