ハラール化粧品トレンド、アジアで需要増加(前編)

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ハラール化粧品トレンド、アジアで需要増加(前編)

Halal cosmetics 2020

ハラール化粧品の売り上げが伸びているが、その人気の広がりは世界均等とは言えず、アジア、特に東南アジア周辺での需要が多くなっている。

ハラール化粧品東南アジア市場

フランスのAsia Cosmetics Labの東南アジア地域プロジェクト・マネージャーHéloise Lefebvre du Prey氏は以下のように話す。
「ハラール化粧品は増えてきてはいるが、まだアジアが中心で欧米での認知度はそれほど高くない。3年前にはニッチ市場と考えられていたハラール化粧品にとって東南アジアはとても良い市場である」

ムスリムの化粧品に対する支出はかなりの速度で成長しており、DinarStandard社のGlobal Islamic Economy Report 2019/20によると、2018年は推計640億ドル(約6.9兆円)で、2024年には950億ドル(約10.3兆円)に達すると予想されている。

中でもインドは56億ドル(約6,042億円)でトップの市場であり、次がインドネシアの39億ドル(約4,208億ドル)、ロシアの37億ドル、マレーシア、トルコと続いている。

しかしながら、ムスリムが一般化粧品と比較しハラール化粧品にどの程度お金を使っているのかは数値化が困難だ。

2019年度WiseGuy報告によると、東南アジアがハラール化粧品最大の生産者とされており世界の約40%、売上では中東が市場シェア12%で、欧米全体を合わせても4%に過ぎない。同報告では、世界ハラール化粧品市場の価値は25億ドル(約2,675億円)で、成長率は年5.6%と推計されている。

この数字が正しければ、ハラール化粧品は、Euromonitorが4,883億ドル(約52.2兆円)と推計する2018年世界化粧品売上高の2.5%を占めることになる。

東南アジアのマーケットは消費者意識の高まりと化粧品に関する特別な規定を含むハラール規制環境の整備により特にマレーシアとインドネシアが他地域よりも先行している。

韓国へのハラール化粧品輸出

韓国の化粧品(K−beauty)は、化粧品のトレンドやインフルエンサーという面でより地域に根差した化粧品として魅力が高まっている。

「韓国はアジアと世界の美容ビジネスに重要な役割を果たしている。特にハラール化粧品としてより受け入れられやすい天然・ハーブ系原料の利用や製品コンセプトにより化粧品のトレンドをリードしている」とインドネシアのハラール化粧品コンサルタントDewi Rijah Sari氏は話す。

韓国はフランス・アメリカ・ドイツ・アイルランド・シンガポールに次いで世界6番目のエッセンシャルオイル・香水・化粧品・バスルーム用品輸出国になっており、International Trade Centre Trade Mapの数字によると、輸出額は2018年に25.7%成長して62.5億ドル(約6,687億円)に達している。

OIC(Organisation of Islamic Cooperation)諸国への輸出がこの数年で増加しており、KIHI(Korean Institute of Halal Industry)によると、2017年の韓国の化粧品輸出総量の3.2%から、2018年には3.7%、2019年には4.2%:2.7億ドル(約3,000億円)まで伸びている。

地域別では、東南アジアが1.5億ドル(約161億円)でリードしており、中でもマレーシアが8,900万ドル(約95億円)と大部分を占め、次がインドネシア6100万ドル(約65億ドル)。

中央アジアへの輸出量は昨年43.5%伸びて5,190万ドル(約55億円)になり、キルギスタンの需要は111%伸びをみせ、アラブ連盟諸国は42.6%伸びて4,400万ドル(約47億円)となり、中でも最大の輸入国であるUAEが10%伸びて1,730万ドル(約18.5億円)となり、サウジアラビア・クウェート・イラク、また非アラブ国のトルコやイランでも伸びている。

「OICはますます多くの韓国化粧品を輸入しているか、その全てがハラール認証を受けているわけではない」とKIHIのHalal Certification & Consultancy CentreのJames Noh博士は話した。

それでも、韓国化粧品のハラール認証は増加しており、ハラール認証団体は昨年の1団体から3団体に増え、政府はOIC諸国への輸出を促進しており、マレーシア・インドネシアのハラール化粧品会社との合弁にもその成果が出ている。

韓国の成功により、ハラール化粧品部門は次のK−Beauty現象を引き起こすかもしれない。

「ムスリムの女性とその美しさ・ムスリムの美しさ・いわゆるM−beautyがますます注目されており、今はまだ認知度が低いものの、今後K-Beautyと同様の現象になるかもしれない。大手メーカーが以前よりもハラール製法に関心を持つ中、ハラール化粧品の将来はとても明るいと思う」とHéloise Lefebvre du Prey氏は話した。

インドネシアの勃興

人口2.7億人のインドネシアは、すべての製品にハラール認証を義務付ける法律の2019年10月施行に伴い、ハラール化粧品成長の主要な原動力になると期待されている。

「インドネシアでは7年以内に段階導入予定の法律の施行によりハラール化粧品の波が起きる」とRijah Sari氏は話した。

現在、インドネシア市場シェアの約80%がハラール認証製品だと彼女は推計している。

地元ハラール化粧品ブランドでインドネシア市場をリードするWardahに追随するように、インドネシアおよび海外主要ブランドがハラール認証を取得しはじめている。


< Sigamp’s Eye >
編集者解説:日本ではまだハラールというと食品・レストランのみが認証に関心を持ち始めた段階であるが、世界のハラール市場では既にコスメ業界・スキンケア業界の各プレイヤーが市場シェア獲得のためのハラール化でしのぎを削っている。ハラール化粧品というコンセプトが「無添加」や「オーガニック」と同じく、消費者にとってのブランディングになるという点をすでに理解しているのは、やはり世界市場に対して日本企業よりも積極的に展開している韓国化粧品企業に軍配が上がっている。後編ではその他の国の状況についても見てみたい。

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