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マレーシア:ヤシ油貿易摩擦の中、インドへハラール専門知識売込み(前編)

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マレーシアとインドの間ではヤシ油輸入をめぐる貿易摩擦が起きているものの、マレーシアはそれでもハラール市場として2億人のムスリムを有するインドへ参入する努力を続けている。

HDC(Halal Industry Development Corporation)のInternational Footprint and Industry Developmentの部長Mohammad Shukur Sugumaran氏は「インドは私たちが優先して参入したいマーケットの一つ。未開拓のポテンシャルがたくさんある。インドの産業関係者はハラール市場のポテンシャルを知っていながら、あまり支援が受けられていない状態だと考えている」と話した。

この数年で、マレーシアはインドにおけるハラール展示会や販売説明会など様々なプラットフォームを含むハラールビジネス意識を高める努力を強化している。2020年1月に終了したンドのハイデラバードで行われたInternational Halal Expoでも明らかで、両国企業間にシナジーを生むために、マレーシア政府団体・貿易機関・企業などが参加していた。

「ハラール認証を受けていないがハラール分野のポテンシャルを持っている産業に協力してハラールを支援し、インドのハラール市場を次の段階に成長させて欲しい」とHDCの職員はハイデラバードのHalal Expoの会場で話した。

HDCは、ChennaiのMATRADE(Malaysia External Trade Development Corporation)と連携して、インドにおけるハラール企業や組織のプレゼンスの拡大に取り組んでいる。

「インド企業やバイヤーと仕事をしたいと思っている。協力を通して、インド企業とマレーシア企業の認知度を高め、相互貿易量を増やそうと努力している」とMohammad Shukur Sugumaran氏は話した。

2018年にインドChennai MATRADEのTrade Comissionerに就任したMuzzafar Shah Hanafi氏は、任期中のインドに関するアジェンダのひとつは、マレーシアをインド市場の主要なハラールビジネスの場とすることだと話した。
「インドは世界第2位のムスリム人口を抱え、世界第2位の消費力を持った国なので、ハラールはぜひサポートしたいビジネスのひとつだ。インドのハラールビジネスはほとんど未開拓で、人々はハラールのことは知っているが、まだ理解の範囲が食べ物、とくにハラールビーフに留まっている」

政府の農業機関APEDAによると、インドは2019年3月31日までの1年で、3.7億ドル(約388億円)相当124,357トンのハラール牛肉をマレーシアに輸出している。2019年4月から11月には、2.2億ドル(約230億円)相当73,757トンの輸出を記録している。

Muzzafar Shah Hanafi氏は、ハラールは食肉だけでなく、物流から運営、金融取引のやり方など、ビジネス全体のエコシステムを含むものだと指摘する。
「全てがシャリア法に則ったものである必要があるがインドではまだ進んでいないので、マレーシアにとってチャンスがたくさんあると思う」と彼は話した。

数年前Chennaiでのセミナーでハラールをインドに広め始めたMATRADEは、今年複数の業界への取組みを計画している。

ハラールに対する意識と需要がインドで高まる中、業界専門家はこれによって数千の技術を持った専門知識を持つ労働者の需要を生むだろうと言う。マレーシアは、インドの能力開発面で役立ちたいと望んでいる。
「ハラール業界が成長するにあたり、人々はビジネス面に関心を持っているが、精神面でも教育面でもこの業界に適した人材が必要だということに気付いていない。マレーシア前大臣の統計データによると、マレーシアのハラール業界は少なくとも2万人の熟練人材を必要としている。しかしマレーシア人口は3,200万人しかない。国際ハラール市場から推計すれば、生産のために何人のハラール専門家が必要かわかる。しかし、ハラール業界に向けて人材研修が出来る機関は世界でもそう多くはない」とIIUM(マレーシアイスラム教大学:International Islamic University Malaysia)の学部長Hamzah Mohd. Salleh教授は話した。

マレーシアは40年以上ハラール基準と認証ビジネスに取り組んでいるが、同国はハラール業界の知識と熟練した人材を継続的に育てるために適切な教育と研修を要する段階に来ているとHamzah Mohd. Salleh教授は話した。
「インドでも世界でも、マレーシアの例に倣って、ハラール産業のための適切な教育カリキュラムと研修に対して関心が高まることを期待する」

IIUMがハイデラバード展示会に参加する目的の1つは、研究やコンサルティング、またムスリムフレンドリーホテルのランキングシステムなどについて、地元団体との連携であった。(後編に続く)

< Sigamp’s Eye >
編集者解説:インドネシア、パキスタンに匹敵するアジア第3のムスリム人口を抱えるインド。マレーシアのハラール関連のノウハウを吸収することで、輸出を含めたハラールビジネスを拡大したいという狙いがある。もともとベジタリアン対応が進んでおり、化粧品や日用品なども完全植物由来が多いためムスリムにもインド製品が人気であったが、ハラール対応が進めばもっと売れるようになるだろう。

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