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アメリカ:植物由来豚肉ハラール認証は実現困難

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Impossible Foods
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カリフォルニア州オークランドImpossible Foods社製造施設で働く労働者。
写真:Impossible Foods

カリフォルニア拠点のImpossible社は、植物由来商品Impossible Porkにハラール認証を申請しているが、認証が下りるかどうかははっきりしていないという。

Impossible Foods社は今年初めに豚肉代替品商品を発売した。以前の商品Impossible Burgerは、2018年末マレーシアJAKIM規定の元、アメリカIFANCA(Islamic Food and Nutrition Council of America)のハラール認証を受けている。

「Impossible Burgerの時と同じく、ハラールとコーシャーの認証取得を目指す」とImpossible社の広報担当者はコメントした。

IFANCAはImpossible Porkに認証を出すかどうかについては明らかにしなかった。
「ハラール認証申請中の案件についてはコメントしない。認証したものについてのみ回答できる。Impossible Burgerは認証しており、Impossible Porkは認証していない」とINFANCAは取材に対し回答した。

植物由来豚肉のハラール認証については議論がある。

豚肉はイスラム法ではハラーム(禁じられているもの・許されていないもの)だが、植物由来の豚肉代替品にはハラーム原料が含まれていない可能性がある。

しかしながら、国際的ハラール業界で基準とみなされているJAKIMの規定の元では、アルコール0%のノンアルコールビールなど、そもそもハラームであるものをスタート地点とする商品にはハラール認証が与えられない。

この意見には他の認証団体も同調している。

イギリスの認証団体Halal Trustの運営責任者Shoeeb Riaz氏はImpossible Porkのような植物由来の豚肉代替商品にはハラール認証を認めないと話した。
「豚肉という言葉から問題や混乱が生まれる可能性があるので、事実上ハラールだったとしても決して認証しない。ムスリム消費者の反応は懐疑的である。それに一度これを許してしまえばきりがなくなる」

IFANCAは次のように方針を明らかにした。「一般的に言って、私たちは豚肉のような普通ハラムと関連づけられる言葉を含む商品は認証しません」

Impossible Foods社はImpossible Porkのハラール認証をINFANCAに申請しているのか別のハラール認証団体に申請しているのかは記載しなかった。

Shoeeb Riaz氏は、もしINFANCAがImpossible Porkに認証を与えたら議論になるだろうという。
「INFANCAは豚肉という言葉の入った商品をわざわざ認証するわけがない。ムスリム消費者の信頼を失ってしまう」

昨年植物由来の豚肉を発売したマレーシアの新興企業Phuture Meat社は、この商品はハラールだと主張しメディアの注目を集めた。同社はハラール認証取得は目指していないという。現在は100%中国市場に集中しているとPhuture Meat社の共同設立者Jack Yap氏は話した。

< Sigamp’s Eye >
編集者解説:実はHBO編集部にも「ノンアルコールビールはハラールですか?」という類の質問が寄せられる事は少なくない。興味本位の場合もあれば、本気で質問される場合もある。ここで冷静に考えるべきなのは、イスラム教でハラーム(許されないもの)と規定されている名前を故意に使う事に対する反響である。敬虔なムスリムはその名前に対してそもそも拒否反応があるかも知れない、という事に思い至る必要がある。ハラール市場がマーケット的に魅力的なのは間違いないが、宗教面でタブーとされるものに日本人があえて踏み込む必要性は、今の所あまり感じないのではないだろうか。

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