国際コンサルティング企業AT Kearneyは、グローバルなハラール市場は2020年に初めて2.5兆ドル(約274兆円)規模を超え、その後も成長を続け5年以内に3兆ドル(約329兆円)規模に達するとのレポートを発表した。
2023年に3兆ドル市場になると予測
同社Global Business Policy Councilは、ハラール製品とサービスに対する消費は2023年には世界的にほぼ2倍になると予測している。
2012年には、ハラール市場は消費者支出の1.6兆ドル(約175兆円)を占め、2017年には4.5%伸び2.1兆ドル(約230兆円)となった。
2023年に3兆ドル(約329兆円)市場になると予測され、飛躍的な成長を見せている。
様々な市場分野が成長を続ける
ハラール市場は、イスラム法に準じて適切な、そしてムスリム文化と信念を満たす製品とサービスから成り立っている。
現在ハラール市場は、
- 食品
- 旅行
- ファッション
- メディア娯楽
- 医薬品
- 化粧品
上記の6つの主要部門からなっている。
食品が62%と市場のほとんどを占めているものの、ファッション(13%)とメディア(10%)もますます多様化する消費者対応の一環として成長している。
2017年には世界ハラール市場の8%しか占めていなかったものの、ホテルやツアー運営会社がムスリム観光客の食事および宗教的要件に対応する努力を続け、ハラール観光部門も拡大が見込まれる。
ハラール観光会社HalalBooking社は、最近の資金調達ラウンドで2百万ドル(約2.2兆円)を集めており、旅行部門の今後を示す好例となっている。
市場は世界的に広がる
世界ハラール市場は引き続きムスリム人口の最も多い国に集中している。
特にインドネシアは、2019年10月から商品へのハラールラベル掲示が義務付けられてるため、2020年に世界的なハラールの中心地になると見られる。
とは言え、西側市場でも特にハラール食品部門で大幅な成長があるだろう。
グミやキャンディで有名なHariboはすでにロンドンにハラール・スイーツの店を開いており、三菱商事はUAEのAl Islami Foodsに投資している。
2020年とそれ以降も多国籍企業からの投資は続いていくだろう。
AT Kearneyの共同経営者 Bahige El-Rayes氏は、
「ムスリムは消費者グループとして世界人口の4分の1近くを占めており、市場の大きな一部となっている。特に西洋のビジネスは、今こそハラール商品とサービスに投資する明らかなチャンスがあることに目を向け、急速に成長するこの市場を活用すべきだ」と話している。
< Sigamp’s Eye >
編集者解説:2020年のハラール市場レポートであるが、ポイントは日本が、日本企業がこの巨大なマーケットにどれだけ食い込めるのか?であると考えている。絵にかいた餅で終わらないためには、少なくとも夏のオリンピックに向けて、ムスリム旅行者に向けて自社が何を取り組めるのかをいち早く準備していく事ではないだろうか。アイデアは当編集部に無限に転がっているので、興味のある方はお問合せよりご連絡ください。きっと競合他社では思いつかないブルーオーシャンが広がっています。
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