インドネシア:ドイツハラール認証団体、BPJPHの暫定認定取得

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インドネシア:ドイツハラール認証団体、BPJPHの暫定認定取得

インドネシア、ジャカルタにあるレストランのMUIハラールロゴ。
写真:Riana Ambarsari / Shutterstock.com

インドネシアの新しいハラール認証団体BPJPHが、 MUIに認可を取消されていたドイツのHalal Control GmbHを一時認可した。

今回の一時認可は、インドネシアとドイツの政府を代表する当局関係者の間で、ハラール認証協力についての公式合意が得られるまで有効なものである、と BPJPH会長のSukoso教授は話した。

Sukoso教授は、 Halal Control GmbHの本部長Mahmoud Tatari氏とインドネシア弁護士Ahmad Ramzy氏、 ドイツ連邦経済エネルギー省、インドネシア・ドイツ大使館とインドネシア・ドイツ商工会議所がインドネシアのハラール認証団体 MUI(LPPOM-MUI)に認可されたハラール認証団体リストから削除を取り消す要求のために来た事を明かした。
「彼らは数年前のMUIとの対立の解決を求めていた。そのことで彼らのビジネスが妨げられたことをとても残念に思う。彼らはすでに大きな損失を被った」

Halal Control GmbHは、2017年末にインドネシア警察に訴えた事件が表面化しメディアの注目を集めた後、2019年5月にMUIの認定リストから除外された。Halal Control GmbHは、Lukmanul Hakim氏からMUI資格更新のために金銭を要求されたという主張を続けている。原則的には、インドネシア国外ハラール認証団体の認可更新には、監査のためのMUI関係者渡航費用以外は料金はかからないはずである。

MUIに関してSukoso教授は「正直なところ、インドネシアハラール認証団体に関連するこの汚職スキャンダルは我々にとって大きな恥だ」と話した。

政府機関のBPJPHが2019年10月17日に正式運営を開始し、インドネシア唯一の国営ハラール認証団体としてMUIの仕事を引き継いだ。それまでは、イスラム聖職者団体のMUIがここ20年ほどインドネシア唯一のハラール認証団体であった。

「ハラール認証団体の会長を務める人間として、わたしは全ての誠実なウラマーとインドネシア国民の威厳を守りたいと思う。今回のケースはうやむやにすることなく、国を挙げて解決すべきだ。そうでなければ、インドネシア国家の名誉を損ない、インドネシア・ドイツ間の貿易関係全般が悪化する。そこで我々は橋渡し的に、今回の一時承認の手紙を出した」とSukoso教授は話した。

BPJPHのような国営ハラール認証団体は、海外認証団体の発行するハラール認証を許可している。この認可は相互認証のようなもので、海外の認証団体が BPJPHのハラール基準と手順を遵守する能力に基づいて行われる。相互認証を得た海外認証団体と、その団体で商品のハラール認証を取得した企業にとって、これはインドネシア市場への参入が可能になることを意味する。インドネシアへ参入を狙う企業へのサービスで収入を得るハラール認証団体にとって重要なビジネスである。

海外ハラール認証団体の認可プロセス

MUIとは異なり、海外のハラール認証団体の認可は BPJPHの公式な許可を得るまで、一連の手続きを経なければならない。

Sukoso教授は、 Halal Control GmbHのような団体が完全な認定を取得するまでにはいくつかの段階を経る必要があると話した。最も緊急なのは、政府同士がハラール認証協力について共通認識を持つことだ。

RüsselsheimにあるHalal Control GmbHの場合、インドネシアに輸出される全てのドイツ製品はUU JPH法に従ったハラール認証要件を満たしていなければならないことを強調する条項が加えられる。また、ヨーロッパに輸出されるインドネシア商品も、ヨーロッパのハラール認証ガイドラインを遵守しなければならない。

「これでお互いの国へ輸出できるようになる。ハラール認証に関するUU JPHと政府の規定がすでにあるが、相互認証を作成するためには、複数のフォーカスグループによる議論が必要になる可能性がある」とSukoso教授は話した。

Halal Control GmbHは1年前に、海外ハラール認証者に適用される46 (2) JPH法を満たす全書類を提出しており、現在BPJPHが確認中だとSukoso教授は話した。

インドネシアのハラール認証に関する現在の規定には、 BPJPHには海外ハラール認証団体に認定を与える権限があり、そしてMUIは現在BPJPHのパートナーとしてハラール監査を行いファトワを発行するとはっきり書かれていると、BSN(National Standardisation Agency of Indonesia)の認証評価及びシステム部長Donny Purnomo氏は 述べた。

企業はBPJPHに対してハラール認証を申請し、 BPJPHはその国あるいは他の IAF MLA (International Accreditation Forum Multilateral Recognition Arrangement)に参加している認証団体によって認証が許可されているかどうかに基づいてインドネシアのハラール認証を発行可能だ。

海外のハラール認証団体が完全な認定を得るために、政府法令番号31の第28条4番と5番にあるとおり、BPJPHは KAN(Indonesia’s National Accreditation Committe)と連携および協議を行う。

OIC(Organisation of Islamic Cooperation)のSMIICとドバイIHAFに関連して、Donny Purnomo氏は「完全な認定を得るにはいくつかの要件があり、そのうち1つは KANとの間に認定合意を持った認証団体の認定である。その後その団体がIAF MLAのメンバーとして登録されており、 SMIIC(Standards and Metrology Institute for the Islamic Countries)あるいはIHAF(International Halal Accreditation Forum)と提携している場合、原産国の認証団体と協力する。

まだ登録されていない場合、認定プロセスはKANが直接執り行う。すでに IAF MLAのメンバーになっていても、国境を超える場合には原産国の認定団体とも連携する必要がある。しかしそれら全ての手順が行われる前でも、 BPJPHは例えばHalal Control GmbH Germanyのケースのように一時的な認定を発行できる」と話した。

Halal Control GmbH Germanyの本部長Mahmoud Tatari氏は、今回の決断はグローバルなハラールコミュニティに前向きなメッセージとなり、インドネシアのハラール認証プロセスに対する信頼感を築くだろうと話した。
「一時認定の手紙は橋渡しとなり、ドイツ企業がインドネシアに商品を輸出できる可能性を与えるものである。インドネシア唯一のハラール団体BPJPHは、第33法(JPH)によって承認されている」

Halal Control GmbH LPPOM-MUIに対する訴訟は、引き続き取り下げないと言う。彼らは、政府の不正防止委員会KPKや警察本部など様々な組織とも会っており、捜査が進行中であるとMahmoud Tatari氏は話した。
「事態が適切に解決されるまで、誠実さを求める我々の努力は続く」

< Sigamp’s Eye >
編集者解説:日本でも色々と注目を集めているインドネシアのハラール認証の移行にまつわる話題である。MUIの不正(賄賂要求)とBPJPHがいつ正式に立ち上がるかという問題、そしてBPJPHと相互認証を取得できる日本のハラール認証団体はどこなのか、という所に注目が集まる。これらはここ数か月で明らかになっていくだろう。しかし重要なのは、この記事にもある通り、相互認証はあくまでもハラールに関しての話であって、「貿易・輸入」に関してはそれぞれの国で検疫承認が必要な事を忘れてはいけない。インドネシアのハラール認証の相互認証についての問い合わせは多いが、インドネシアの輸入に関する検疫関係についてはノーマーク(調査していない)企業も多いので注意が必要である。

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