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シンガポール: OneAgrix のハラールトレーサビリ ティが始動

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OneAgrix社のトレーサビリティシステム「Proof of Concept」では、ハラール認証団体を確認し、ハラール肉を農場から食卓に至るまでトラッキングすることが可能になる。

ブロックチェーンと食品トレーサビリティを組み込んだオンラインB2Bハラール農業食品取引会社OneAgrixは、110年の歴史あるスロベニア企業Perutnina Ptuj Groupと連携し、ハラール鶏肉分野でハラール経済初のトレーサビリティ「Proof of Concept」を始動した。

 

OneAgrixのB2Bプラットフォームでは、ハラール鶏肉のトレーサビリティだけでなく、商品購入前に消費者が生産者のハラール認証情報を確認できるようになっている。このデータはハラール分野における詐欺に対抗するためのブロックチェーン技術を通して確認される。

 

ハラールサプライチェーンのトレーサビリティと生産地確認はハラール経済で現在議論の的であるにも拘わらず、今まで実際に実施しているブロックチェーン会社は存在しなかった。今回のPerutnina Ptujとの取組みはハラール部門初となる。

ハラール食品業界で偽造品・偽ハラール認証に関するニュースが増える中、テクノロジーに精通したミレニアル世代のイスラム教徒やZ世代の影響も受けて、透明性と説明責任を求める消費者の声が高まっており、ハラール関係者もこの問題を意識している。

同業他社のソリューションと異なり、 OneAgrixはコスト効率もよく定評があり拡張性のあるTrace Lab開発OriginTrail搭載のnOSを採用している。この技術は2017年にウォルマートFood Safety Innovation Spark Award(食品安全革新賞)を受賞しており、IBM・Microsoft・SAPと並ぶ世界トップの一員として「Global Blockchain in Agriculture Industry 2018 Market Research Report(国際ブロックチェーン農業分野2018市場調査レポート)」にも名前が挙がっている。Origin Trailは、世界経済フォーラムの報告書「Inclusive Deployment of Blockchain for Supply Chains」の中でも信頼できるソリューションとしてノミネートされている。

ブロックチェーン技術は食品業界で広まりつつある。OneAgrixは全てのハラール関係者のコンプライアンスを高めようとしている。全てのハラール認証団体・研究所・ブロックチェーン食品生産履歴管理サービスプロバイダー・食肉処理場・農園・生産業者・流通業者を動員して、皆の利益のためにデータを分散共有することを呼びかけている。

OneAgrix社はGS1基準未採用の他プラットフォームに対し、OneAgrixプラットフォームに統合し迅速にGS1基準を導入するよう強く促している。正しい基準の導入は、グローバルなサプライチェーンの問題を解決するために全ての関係者にとって必要不可欠だという。

「GS1基準を守ることは決定的に重要だ。なぜならそれがサプライチェーンのデータ基準を表す『言語』になるためだ」とOneAgrix社の共同創立者 Diana Sabrain氏は話す。

これらの基準は、 Néstle・Target・CarreFour・Mondelez・Walmart・Amazon・Alibabaなど、グローバルな業界リーダーで構成されるGS1運営委員会が採用している。

ハラールエコシステムを説明ためにOneAgrixは「中立性・相互運用性・シナジー・競合せず連携する」という原理を、ハラール関係者であれば誰でも泊まれるホテルに喩えて説明した。

より健康的なエコシステムを念頭に、彼らの国境を超えたオンラインB2B取引プラットフォームは、本物の偽造のない食品原材料・農産品・ハラール製品のグローバルなサプライチェーンへの安全な移動を保証する。

OneAgrixはまた、自分たちはブロックチェーン企業ではなく、テクノロジーを持ったハラール・エコシステムであると説明する。彼らは供給者と消費者で起こる摩擦を減らし、第三者預託式の安全な支払いソリューションを提供している。また、ユーザーが物流の要件を登録すると、リアルタイムの出荷見積もりを得られるサービスも提供している。

OneAgrix B2Bハラール市場にはヨーロッパ・トルコ・ヨルダン・インド・インドネシア・中国などから認証済み商品が掲載されており、人々の訪問を待っている。

OneAgrixは現在第一回目の出資者を募っている。すでにオファーが来ており、 OneAgrixは成長力を持った2.5兆ドル(約272兆円)規模のハラール市場への投資を望む、志を同じくする投資者を探している。

< Sigamp’s Eye >
編集者解説:ハラール認証が本物かどうか、ハラール認証製品がきちんとハラールに則った形で生産者から消費者までの間を通っているのかなどを確認するトレーサビリティの確立は重要な課題であるため、このシンガポール企業の取組は注目に値する。一方で、ブロックチェーン技術を利用した「出資詐欺」、ベンチャー企業ゆえの経営不安定性などの不安は常に付きまとうため、参画には慎重性を要する。このようなシステムが出現しても、すぐには世界中のハラール認証が統一されるような事態にはならない事にも注意が必要である。

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