イギリス:ラマダン時のムスリム消費者ニーズ未だ満たせず

ハラル・ビジネス・オンライン

ハラル・ビジネス・オンライン

ビジネス

イギリス:ラマダン時のムスリム消費者ニーズ未だ満たせず

ムスリム消費者は、各企業がムスリムのニーズを理解していないと感じているようだ。

6月のイスラム教祭日イル・アル・フィトルに先立ち、英国のムスリム消費者はこの一年で最大の宗教的イベントに備える買い物で忙しくなる。調査会社Ogilvy Noorによると、イギリスのショッピングセンターでは1ヶ月続くラマダンの時期に客数が47%増加する。

Muslim Council of Britainによると、イギリスのムスリムは2014年で約310億ポンド(4.4兆円)の経済効果をイギリスにもたらした。

このうち飲食品消費額は約63億ドル(約6,840億円)で、2020年までのCAGRは5%となっている。

しかし、イギリスのスーパーマーケットでラマダン時期に数億円規模の売上増加をもたらした一方で、Ogilvy Noor社Shelina Janmohamed副社長は、多くの消費者は各企業がムスリムおよびムスリムのニーズについて知識が足りないと考えているという。

「イギリスのムスリム消費者は、彼らの現代的な態度や行動に合わせて欲しいと思っている。様々な料理を食べたいというニーズの中には驚くべきものもある。18-24才の若者にはイフタールの食事としてチキンとフライドポテトが一番人気だという。ラマダンの時期にムスリムが健康に対して関心が高まることについても各企業は知らない。そしてムスリムの3分の2がラマダンのための金融プランが必要という事についても金融企業は全く気づいていない」と彼女は付け加えた。

Ogilvy Noor社の調査によると、イギリスのムスリムの62%がラマダン中に各企業や小売店から「十分な対応を得られない」と感じている模様。

一方、好材料としては調査対象者の78%がもし各企業がラマダンやイドのための商品を強化するならば興味があると答えている。

Shelina Janmohamed氏は、イドの習慣は変化しており、イドのイベントを開催する一部のイギリスのショッピングセンターでは来客数が50%増加していると話す。

「外食する家族が増えている。イド期間中の家族の娯楽と外出が増加していることは、各企業がラマダン時期にもっと積極的かつ効果的に対応する必要があることを示している」

ムスリム消費者への対応

イギリス最大のハラルインスタント食品業者であるHaloodies社のNoman Khawaja CEOは、ムスリム消費者はラマダンとイドの期間中は買い物の仕方が大きく変化すると話した。

Noman Khawaja氏、Haloodies社CEO

デーツや文化的な商品など、ラマダン期間中にムスリムにとって重要な食品が売れるようになる。

「ラマダン期間中に必要なものを揃えることが重要。彼らを惹きつける宣伝を打って、我々の商品がラマダン断食中にいかに役立ち便利かということをアピールする。日々の生活や断食をより便利にするための質の高いハラル商品が必要な時には、常にHaloodiesを思い出して欲しいから」とCEOは付け加えた。

Noman Khawaja氏は、 Haloodies社はSNSやインフルエンサーとの連携も重視していると話した。

「我々はラマダンのコンテストを運営し、また社会貢献も大事であるためチャリティーについても話を進めているところだ。デジタル時代には印刷物よりもオンラインの方が活発。冷凍プレミアムビーフ・バーガーを新発売したため、冷凍庫に入れておけばイフタールで美味しく食べられることを宣伝している。また、この宗教的イベントの間、困っている人たちを助けること、そして健康のための水分補給も忘れないよう呼びかけている」

< Sigamp’s Eye >
編集者解説:今年のラマダン時にも、日本でも同じような話が西千葉のハラールスーパー「HAYABUSA HALAL MARKET」を訪れた在日ムスリムの方々から多く聞かれた。「私たちはラマダンに向けてとても多くの食材を準備します。でも日本のスーパーに行っても、買いこめるだけの量が準備されていません。そして、スーパーの人たちもこの需要があると気付かないので、仕入れも通常通りで、結局断食で元気がないのにたくさんの店を回って食材を集めたりする羽目になりました」と。逆に言えば、日本企業はラマダンに向けた準備を2020年に向けて始めるチャンスとも言える。

関連記事:

レポート:西洋、ラマダン歓迎も文化受容はまだ先