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アフリカ:この世界最大規模市場をベンチャーはどう見るか

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世界経済フォーラム

AfCFTA(アフリカ大陸自由貿易区)がアフリカの起業を促進。

AfCFTA(The Africa Continental Free Trade Area:アフリカ大陸自由貿易区)が5月30日に開始した。全アフリカの国家が参加すれば54ヵ国、合わせて4兆ドル(約435兆円)規模となり、世界最大市場のひとつになると見られている。

AfCFTAはアフリカ大陸のベンチャー企業により大きな市場へのアクセスを提供できる。若いアフリカ人起業家にとっては、AfCFTAがどのように自分たちのビジネスに役立つか理解することが重要となる。起業家たちは情報を得た上で新たな貿易計画を作り始めるべきである。

自由貿易地域によって競争が増し、アフリカの人々に長期的な革新と繁栄がもたらされると考えられている。しかしAfCFTAが成功するためには、企業や政治家たちの協力が必要だ。彼らがお互いに協力して、商品やサービスがどのように動き、ビジネス基盤を整え使いやすい環境を提供する必要がある。企業家と各国貿易省との議論は、各国貿易政策の見直しと更新を可能にするため、政府、ビジネス双方に有益である。

デジタルプラットフォームのおかげで、デジタル・財政・社会的多様性の受け入れが促進され、貿易の利便性が向上した。これによりアフリカ大陸全体におけるビジネスの大幅な成長に繋がる可能性がある。しかしビジネスが国境を超えて成功するためには、有利な資金調達の選択肢・ビジネス支援サービス・研修と成長を促す良い環境など、地元での適切な支援が必要となる。

一部のアフリカ諸国では、政府の支援や政府と協力して効果的なプラットフォームを作ることが今だに困難である。これでは力強く成長するための環境が得られない。このため多くの企業家が規模を拡大できず、一部のケースでは「非公式な経済活動部門」での運営を余儀なくされている。

地元企業の懸念事項に対応できなければ、AfCFTAのもたらす利益にアクセスできなくなり、非公式部門の急成長につながってしまうだろう。ILO(International Labour Organization:国際労働機関)によると、非公式部門はサハラ以南のアフリカの雇用総数の66%以上、北アフリカの52%を占めていると推定されている。企業と政府が協力して、国家と民間部門が研修・技術的プラットフォームへのアクセス・資金提供の面でサポートすれば、非公式部門の人材が公式部門へ移行しより大きな市場で成功するチャンスが広がるだろう。

このフォーマット化により、雇用の質と量の向上、財政収支の向上と生活の質の全体的な改善などの利益ももたらされるだろう。政府は、より大きな市場に輸出できる商品とサービスを生産できるよう、中小企業の能力開発とビジネス成長のための国家的支援プログラムへの投資を始めるべきである。

Future Africa Forumでは、アフリカ大陸内貿易専門家ネットワークを通して様々な人脈へのアクセスを提供する動きに取り組み、市場拡大を目指すアフリカ大陸の若い起業家の貿易と投資に関するミッション実現をサポートする。アフリカには才能と可能性があるにもかかわらず、プラットフォームがなければこのような才能がアフリカ大陸どころではなく地元から出ていくことすら困難だからである。

しかしながら、ビジネス規模拡大の前にまず以下のことを確認しておく必要がある。

・企業家が国際市場に商品やサービスを売るために適切な研修を受けていること。
・企業家が税関手続きや品質要件を含む輸出に必要な手続きについてきちんと情報を与えられていること。
・企業家が輸出ビジネスで利用できる融資制度を理解していること。
・企業家が地元以外でも需要がある商品やサービスを生産していること。

The International Trade Centreは、国内利用が実現すればアフリカ大陸の多くの人々に大きな利益をもたらすと考えられる若い企業家のための輸出アクセラレーターを開発した。これは次の4つのビジネス支援カテゴリー「研修」「コーチング」「メンター制度」「資金調達」をカバーしている。地域レベルでは、Trade Mark East Africaのような組織が、市場アクセス・貿易環境拡張・ビジネス競争力拡大の面で大きな役割を果たしている。

若い起業家にとってのAfCFTAのメリットについていうと、男女平等の観点も含めることが重要だ。女性は国境を超える取引で指導的役割を果たしており、SADC地域の国境を超える非公式貿易業者の70%を占めている。

彼女たちがより効率的に成功できるために、女性たちが自ら直面する課題、バリュー・チェーンにおいて必要としているサポートを伝えるのに主導的な役割を果たすべきである。商品やサービスの移動にはバリュー・チェーン全体が関わってくる。このバリュー・チェーンには、生産地における仕事やサービス、これらの商品やサービスの様々なルートを利用した移送、時間通りに到着する質の高い配達と支払いサービスを可能にする入港及び出港時の通関プロセスが含まれる。

このバリュー・チェーンを更に調整しより良く連携させていくことで、アフリカ大陸内の貿易増加が期待できる。その他の課題としては、起業家が国境を超えて旅することに備え、大陸の一部ですでに見られている外国人恐怖症の脅威から保護すること、そして医療などの社会サービスへのアクセスを確保することだ。

アフリカB2B(business to business)や、B2C(business to consumer)プラットフォームの導入に伴い、商品とサービスの移動に使われるIT技術が不可欠になっている。Jumia、ケニアのMPESAやジンバブエのECoCashなどの例が、アフリカがすでに大きな1つの市場になりはじめていることを示している。

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