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【ベンチャー企業】 Abe’s Eats 宗教を跨ぐ有機牧草育成肉を販売

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ニューヨークShabbat Salaamの集まり

ニューヨークShabbat Salaamの集まり。
写真:Abe’s Eats(2018年6月)

イラン系アメリカ人の企業家Mohammad Modarres氏は、それぞれの厳格な食事規定を満たす食肉を生産することでイスラム教徒とユダヤ教徒の融合を目指す。


Mohammad Modarres氏は、敵対関係にあると見られることが多いイスラム教徒とユダヤ教徒のコミュニティーが一緒になり、互いに偏見やヘイトクライムに対抗できることを彼の会社Abe’s Eatsを通して示していきたいと考えている。

エコ意識の高い消費者に向け酪農家が100%牧草で育てた有機牛肉を扱うMohammad Modarres氏は、「工場式農園ではない持続可能な生産方法で作られた農産物への需要が高まっている」と話す。

取り扱う食肉がコーシャとハラル両方の判断基準を完璧に満たすために、Abe’s Eatsの食肉処理プロセスはユダヤの戒律に則って行われ、同時に屠殺に祈りを捧げるムスリム担当者も立ち会う。

自身もムスリムであるMohammad Modarres氏はAbe’s Eatsを立ち上げる前、 Interfaith VenturesというNPOを設立し、数年間金曜の夜に異なる宗教の信者たちが集まってディナーを楽しむShabbat Salaamというイベントをアメリカ各地で開催していた。

Mohammad Modarres氏は、 Abe’s Eatsはただの食肉企業ではないと言う。食肉はユダヤとイスラムの食事規定を両方守り生産するのが難しい食品のひとつであり、だからこそ始めに取り組んだという。

ここ数年Mohammad Modarres氏は、コーシャーの専門家(mashgiachs)、ハラル専門家、イマム(ムスリムの先生)やラビ(導師)、そして持続可能な農家などと協力して、食品を通して宗教の違いを超え団結をもたらすことのできる商品の開発に取り組んできた。

アメリカだけでもコーシャ、ハラルの食品産業は380億ドル(約4.1兆円)規模といわれる中、2つの宗教の融合を目指すこの食肉ベンチャー企業は異なる宗教の要求に応え、それぞれ食に厳格なユダヤ教徒とイスラム教徒が同じテーブルで同じものを食べることを可能にする。


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