中国:新興企業へ投資、ムスリム初ユニコーン創出目指す

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中国:新興企業へ投資、ムスリム初ユニコーン創出目指す

クアラルンプールでGobi Partnersが開催したピッチコンテストにて、
IslamicMarkets社が100万ドル(約1億円)を獲得。
写真: Gobi Partners

イギリスのイスラム金融データを扱う新興企業が、先週クアラルンプールで開催されたベンチャー・キャピタルのピッチコンテストで優勝し、賞金100万ドル(約1億円)を獲得した。Gobi Partnersが主催し、地元・海外から合わせて10名の起業家がGobi Partners Taraec Hussein副社長率いる5名の投資家にビジネス案を提示した。

優勝したIslamicMarketsは、昨年世界初のイスラム経済における産業主導型学習および金融情報を扱うプラットフォームとして立ち上げられた。創業者Shakeeb Saqlain氏は、ここに至るまで5年近くをプラットフォーム構築に費やした。

「構想にとても長い時間をかけた」とGobi Partnersから約1億円の投資を勝ち取った後にShakeeb Saqlain氏は コメントした。

「イスラム経済は(通常経済とは)少し異なっていて、アイディアがあっても普通集まるような投資が集まるとは限らない。そのため、我々は商品開発・有機的な活動にフォーカスすることで結果に繋がった」

IslamicMarketsは、投資家や企業の成長・仕事の創出・革新機会を阻害している情報提供における障害や有機的ではない経済の解決をベースに創設された。

同プラットフォームは大量のデータと情報を自社のアナリストに提供し、多数の金融機関のデータを集めることで、投資家がより簡単にイスラム金融市場を評価できるようになる事を狙いとしている。

「イスラム経済ではそれぞれの市場に多くのプレイヤーと、金融業・モデストファッション・医療技術などの幅広いエコシステムが存在する。プレイヤーたちは、数百兆円の市場規模を持つイスラム市場への参入を狙っている。しかし市場はひどく断片化された状態のため、これらの企業が国内また国外で(イスラム市場を狙って)展開することが非常に難しい」とShakeeb Saqlain氏は話す。

ビジネス情報プラットフォームは現在金融市場にフォーカスしており、定額料金を支払うことでデータおよび市場情報にアクセスできる企業向けサービスを実施している。このプラットフォームの契約者は300%の成長率で増加しており、いくつかの大手イスラム銀行も契約している模様。

これらのモデルを開発したShakeeb Saqlain氏が、利用者がリアルタイムで金融市場データを分析し取引を行うことができる “terminal business intelligence wire” で知られるBloombergが前職である事は偶然ではない。さらにいくつかの新たな技術機能も加えられている。

「Bloombergでも扱っていたためデータ技術のことはよく知っている。我々はこれデータ技術のプラットフォームだとは思っていない。技術系というよりは、フィンテック系のインフラだ。このようなインフラを、AppStoreのようにサードパーティーに対して解放する構想を持っている。イスラム銀行であれ、スタートアップ企業であれ、このインフラを利用して自分たちでアプリを作ることができれば、簡単にビジネスを拡張し世界のイスラム経済にリーチできる」と Shakeeb Saqlain氏は話した。

IslamicMarketsの次のステップは、マレーシア首都クアラルンプールにオフィス設置する事で、既にロンドンで雇用済の15名から人数を増やし、現地人材を雇用するための面接中だという。今後はインドネシア・中東にも展開する予定。

当初は自己資金で運営していたが、昨年初めてロンドンの投資会社 New World Capital Advisorsから投資を受けた。

今はGobi Partnersの後援も受け、今後はAシリーズ融資をより進める予定。Shakeeb Saqlain氏は資本だけでなく、クアラルンプール企業Gobi Partnersの地元ノウハウも取り入れたいと考えている。

中国に拠点を置き、9つのアジアの国々にオフィスを持つベンチャーキャピタルGobi Partnersは、クアラルンプールでTaqwa Techファンドを運営している。Taqwa Techとは、大きなムスリムコミュニティを対象としたサービスを構築した新興技術企業にGobi Partnersがつけた名称だ。このような企業は、パキスタン・マレーシア・インドネシアのように、ムスリムの多い市場で生まれることもあれば、グローバル市場のムスリム起業家によって創設される場合もある。

「Gobi Partnersの良いところはとても起業家に優しいところだ。彼らはこの市場を知り尽くしているので、知識と経験に基づいたアドバイスをくれる。これが一番重要な点だ。現場に素晴らしいチームがいて、市場に関する情報を貰える為、非常に役立つ」とShakeeb Saqlain氏は話す。

ユニコーン

Gobi PartnersのTaraec Hussein氏は、投資の目標はイスラムデジタル経済初のユニコーン創出に役立つことだと話す。さらに、イスラム新興企業を対象にしたアイディアコンテストによる約1億円の投資は初のことであり、実現に大いに役立つだろうと言う。

<その他参加9社>
インドネシア: Alami Fintek Sharia
PergiUmroh.com
Umroh.com
インド:Modest Forever
Jombnb
マレーシア:Serunai
Favoriot
シンガポール:CollabDeen
Hoolah

「会計と法的書類を精査しデューデリジェンスがうまく行く事を望んでいる。問題なく、全てスムーズに行くことを願っている。このビジネス情報システムをメインストリームに押し上げ、次のユニコーン候補になることを願っている」とTaraec Hussein氏はコメントした。

Taraec Hussein氏と共に審査員を務めた、ムスリム市場にフォーカスしたマレーシアのベンチャーキャピタルPixel Play Venturesの Syahrul Nizar Yahya CEOは、 IslamicMarketsのアイディアは決して目新しいものではないがイスラム分野での実施は初だと話した。

「新しい取り組みだ。ベンチャーキャピタルとして我々は短期や中期ではなく、どのくらい成長し持続していけるかより長期的にみている。世界に対してデータを提供することでイスラム経済への投資を活発化させるような取り組みが必要とされている」とSyahrul Nizar Yahya氏は話す。

Shakeeb Saqlain氏は、IslamicMarketsの今回の投資で「この4年間の勤勉と努力が認められた」と考えている。 Dubai Islamic Bankの仕事をやめて起業するというリスクがようやく報われ始めたのだ。

「我々はこの市場のことを真剣に大切に考えているチームを構成した。だからこそ日々これほど努力している。これからも今まで通りしっかりと取り組んで努力を続けたい」

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