インドネシア:新しいハラル認証についての質問

ハラル・ビジネス・オンライン

ハラル・ビジネス・オンライン

ビジネス

インドネシア:新しいハラル認証についての質問

インドネシア政府は、2014年にHalal Product Assurance(ハラル法)に関連する2014−33法(Law No. 33 of 2014)を発行した。これはインドネシアが世界一のムスリム人口を抱え、ハラルがイスラム法で許可されるものであることを鑑みると、重要な法律であると見られる。ハラル法は、ハラル認証を発行する団体・ハラル認証が必要な商品・ハラル認証を得たい企業の手続きを管理するものである。ハラル法は完全に実施されてはいないものの、政府は2019年中には法律に基づいたハラル認証要件の完全な遵守を目指す。

ハラル認証要件は基本的に人々が消費また利用する全ての商品に適用される。ハラル法に基づいてハラル認証が必要な商品・サービスには、飲食品・医薬品・化粧品・ケミカル製品・バイオ製品・遺伝子組換製品・消費財が含まれる。屠畜処理場もハラル認証が必要である。

ハラル法の実施前は、MUI(Indonesian Ulema Council)の特別オフィスでハラル認証を行なっていた。ハラル法の実施に伴い、インドネシア政府は宗教省の傘下に設置されたBPJPH(Halal Products Guarantee Implementation Body)という新たな機関にこの権限を付与している。BPJPHには商品のハラル評価の権限が与えられている。評価自体は政府または民間部門が設立するハラル評価機関によって実施される。BPJPHが評価の結果をMUIに照会し、その後 BPJPH がハラル認証を発行する。

2019年のハラル法の完全な実施

ハラル法は、法律の実施から4年後にあたる2019年10月までにインドネシア内で流通し取引される全商品に対しハラル認証の取得を義務付けている。ハラル認証を取得していない商品について、ハラル法は特に制裁措置を設けていない。ハラル法では、非ハラルの原料を含まないハラル認証未取得商品の扱いについては明確になっていない。このような商品がハラルと申告できなかったり非ハラルと見なされたりすれば、ビジネスに影響する恐れがある。ハラル法の完全実施まであとわずかとなった今も、数多くの大きな疑問が残っている。

BPJPHは2017年10月に設立されたものの、現時点でハラル法の施行規則は発行されておらず、このため同機関がどのように商品を評価しハラル認証を発行するのかについて疑問が生じている。ハラル法では、 BPJPHとMUIとハラル認証団体間の役割分担・商品評価・ハラル認証料金・BPJPHと海外ハラル評価機関の協力・ハラル法で定められた2019年10月の期限よりもハラル認証が遅れてしまいそうな製品についてどうするか、等複数の問題に関して施行規則が発行されると規定されている。

BPJPHは、ハラル法の施行規則なしではガイドラインがないため商品認証はできないと表明している。2019年前に何らかの動きがなければ、インドネシアの企業はハラル認証を得なければならないのに認証を発行する団体が存在しないという自体に直面してしまう恐れがある。

医薬品製造業者からの苦情

またハラル法が、完成商品だけでなく、原材料・加工原料・添加物・副原料などにも適用されることに関して医薬品製造業者の間で懸念が広がっている。インドネシアで製造される医薬品に使われる原材料の殆どは海外から輸入されており、医薬品産業は、輸入前に原材料のハラル認証を取得しなければならない可能性に直面している。

業界団体のThe International Pharmaceutical Manufacturer Groupは、2019年10月の期限以降にハラル認証を取得しても良い製品のリストに、医薬品を加える可能性について話し合っている。原材料や製造工程がまだハラルになっていない医薬製品・バイオ製品・医療機器について、ハラル原材料やハラル製造工程が整備されるまでの間、原材料生産地について情報を提供すれば政府は販売を許可するという報道もされている。しかし、このような商品について製造業者が非ハラルと表明しなければならないのか、そのままにしておいて良いのか明らかになっていない。ハラル法の施行規則にこの疑問に対する答えが期待されている。

結論

インドネシアの新たな法律の実施は、必要な詳細やガイドラインを提供する施行規則の欠如によって紆余曲折している。2019年末までに新しい法律を実施するなら、政府がハラル法の曖昧さを解消し、ハラル認証業務をMUIからBPJPHへスムーズに移行させる作業のために残された時間はあとわずかしかない。

そのため、インドネシアのハラル認証および市場開拓に関しては、ハラル認証の専門家および市場開拓の専門家などの意見を継続的に聞いていく事が重要である。