インドネシア:マレーシアとのライバル関係白熱

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インドネシア:マレーシアとのライバル関係白熱

インドネシアとマレーシアは昔から領土問題・外交問題・文化的問題について争うライバル関係にあった。伝統の盗難疑惑やサッカーチームの優位性など、このASEAN加盟国同士の自慢合戦は、両国が誇るサンバル(辛いチリソース)のように火を吹いていた。

そして今年のGMTI2019(Mastercard-CrescentRating Global Muslim Travel Index:マスターカード・クレセントレーティング世界ムスリム旅行インデックス)は、両国市民にもう1つの議論の種をいた。インドネシア・マレーシアどちらがよりムスリムにとってフレンドリーな観光地かという問題だ。

マレーシアは過去8年間、130の世界観光地トップの座に君臨を続けているが、今年は世界一人気のあるムスリム国家インドネシアが順位を上げて、マレーシアとトップの座を分け合うことになった。

GMTIは、ムスリムフレンドリーな観光地の健全性と成長性を、アクセス・コミュニケーション・環境・サービスの4戦略的分野に分け調査しており、各国とその旅行業界および投資家がムスリム旅行者対応の進歩を評価し、旅行部門の発展をチェックするためのインサイトとデータを提供する優れた研究である。

インドネシアは、観光と旅行業界に投資し、ムスリム観光客フレンドリーなインフラを構築した観光省の継続的な努力が実り、トップの座を射止めたとマスターカード及びムスリム旅行顧問CrescentRatingはプレスリリースで述べた。

GMTI(Mastercard-CrescentRating Global Muslim Travel Index)2019
ここ数年継続している傾向で、ASEAN諸国が今年も優勢であった。

ブルネイは10位につけ、シンガポールは引き続き非ムスリム国として最もムスリムフレンドリーな観光地に選ばれている。非ムスリム国家観光地としては、シンガポールの次にタイとイギリスが続いている。6番目のASEAN加盟国フィリピンはフランスとスペインと肩を並べて36位だった。

トルコ、サウジアラビア、モロッコとオマーンのようなムスリム国家も引き続きムスリム観光客の人気を集めている。これらの観光地は新たなテクノロジーを取り入れミレニアム世代のムスリム旅行者を引き込むサービスを構築することで、本質的にムスリムフレンドリーな環境の恩恵を継続する事が予想される。

未開拓の市場

すでに活発なムスリム旅行産業を持ちながらも、常に拡張を続けるムスリム旅行市場のシェア拡大を狙っているインドネシアとマレーシアにとって、 GMTIランキングの結果は特に有益である。

ハラル旅行分野が世界経済に占める金額は2020年の2,200億ドル(約23兆円)から2026年には3,000億ドル(約32兆円)まで跳ね上がると予想されている。2017年の1.3億人から増加し、2018年には1.4億人のムスリム観光客が世界を旅行している。これは世界旅行産業の10%を占める。

世界的にみてムスリム観光客は2026年には2.3億人まで増加すると見られている。世界で最も成長の速い観光部門として大きな可能性を持っているにも関わらず、特に非ムスリム国のムスリム旅行市場は比較的未開拓のままである。

より多くのムスリム観光客を惹きつけるために、非ムスリム国の観光地は積極的にムスリムフレンドリーな観光を開発している。例えば、スペイン・韓国・フィリピンなどの観光地は、ハラルレストランや近くの礼拝施設など、イスラム教徒のニーズに答える旅行ガイドや設備を用意している。

ハラル旅行Ver.2.0

ムスリム旅行市場はここ最近著しく変化している。ビッグデータ分析・拡張現実(AR)・バーチャルリアリティー(VR)・人工知能(AI)などが業界に甚大な影響を与えており、計画から購入、実際の体験とその経験の共有まで、全ての段階に変化をもたらしている。

ビジネス・ホテル・旅行会社がハラル食品や礼拝施設を提供したことがハラル旅行Ver.1.0とすると、最近のデジタルおよびテクノロジーの変容はハラル旅行Ver.2.0の段階に入ったことを意味する。

ムスリム旅行者がますますデジタル技術を利用できるようになることがハラル旅行Ver.2.0の要となり、インドネシアとマレーシアは来年のランキング発表時により大声で主張するため、間違いなくこの分野に力を入れるに違いない。

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