インドネシア:ハラルインク塗料、選挙向けに

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インドネシア:ハラルインク塗料、選挙向けに

大統領・議会議員・地元役職等245,000名の立候補者が出馬、有権者1,900万人のインドネシア最大規模の選挙が行われる。 写真:AFP/File

Joko Widodo現大統領の対立候補がすでに不正投票を主張するなど、激戦となっている大統領選への投票が始まった。二重投票を避けるため、有権者はハラルインク塗料に指を浸すことになっている。

今回の選挙は、ムスリムが多数派を占めるインドネシアにおいて過去最大規模であり、大統領・議会議員・地元役職などに245,000名の立候補者が出馬し、1,900万人が投票する。東南アジア最大の経済規模を持つインドネシアをより活性化するために、インフラ整備を主とした政策を主導したJoko Widodo大統領に対する国民投票の意味合いを持つ。

しかし背景には、Joko Widodo大統領の指導のもと、軍部が少しずつ市民生活への介入を強め、対立候補の元将軍Prabowo Subianto氏も、スハルト独裁体制を思い起こさせるような改革を目指す中、20年間かけて築きあげてきた民主的な進歩が覆されてしまうリスクがあるという。Prabowo Subianto候補は、自分が負ければ有権者リストの不自然な点に関して結果を精査するとすでに警告している。

ジャカルタに拠点を置く戦略国際問題研究所のEvan Laksmana氏は「インドネシアにとって大きな意味を持つ選挙。Prabowo Subianto氏が勝ったら何をするかわからないし、現在の制度では彼を十分に抑えられないかもしれない」と言う。

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投票は東端のパプアで現地時間水曜日午前7時(日本時間午前9時)に開始、同日午後1時にスマトラで終了予定。

山の多いジャングルに覆われたスマトラの端から、人口の多いジャワ、ビーチの楽園バリと遠くに浮かぶスンバワ島に点在する80万の投票所で票が投じられる。どの候補を選んだかはっきりさせるため有権者は投票用紙にパンチで穴を開ける。その後、不正が多く、票を買収する行為がはびこるこの国での2重投票を防止するために、ハラル・インクに指を浸すことになっている。

一連の即時開票が行われ、当日中には大統領選勝者の目処がつく予定。公式発表は5月になる。

世論調査では大方、57歳のJoko Widodo大統領がPrabowo Subianto氏(67歳)に2桁の差をつけてリードしており、今回の選挙も、Joko Widodo大統領が僅差の勝利を巡って起きた訴訟問題にも拘わらず勝利した2014年の再現となりそうだ。

選挙戦は互いの激しい中傷合戦となっており、宗教に基づくアイデンティティ政治やオンラインに溢れる虚偽のニュースが数百万の浮動票を動かすと見られる。

原理主義よりも実用主義

ウィドド氏は道路建築、空港やジャカルタ初の都市高速鉄道等のインフラを整備する野心的な計画を打ち出している。しかし、イスラム強硬派の主張が強くなり、他の宗派や小規模LGBTコミュニティーなどマイノリティーの人々に対しての差別的な攻撃が増え、人権問題に関して批判を受けている。

「Joko Widodo大統領はイスラム教徒と多元主義の問題について、原理主義よりも実用主義を選択した」とメルボルン大学アジア研究所教授Dave McRae氏は話している。

自身もイスラム教徒であるJoko Widodo大統領は、 著名な聖職者Ma’ruf Amin氏を副大統領候補に指名することで、半イスラム的だとする批判を躱している。しかし少数派を見下すような考え方で知られるJoko Widodo大統領とMa’ruf Amin氏の勝利は、穏健派イスラム国という評判に傷をつけかねない。

「Ma’ruf Amin氏は昔から非常に保守的な考え方を持っている人物だ。政策に影響を与えることは間違いない」とインドネシア在住の政治リスクアナリストのKevin O’Rourke氏は話している。スビアント氏と副大統領候補の裕福な投資家Sandiaga Uno氏(49)は、民族主義に熱烈に訴えている。

彼はイスラム強硬派を取り込み、軍事・防衛予算を増やすことを約束し、アメリカトランプ大統領を見習い「インドネシア・ファースト」を誓い、中国からの数十億ドルの投資を見直すことを約束している。

Prabowo Subianto氏の大統領への道のりは、スハルト家との結束の強さおよび彼の波乱に富んだ過去によって長い間阻まれてきた。彼は1998年に独裁政権が崩壊した時に民主派活動家の拘束を命じ、東ティモールでの残虐行為についても批判を受けている。

低確率、高影響

Joko Widodo大統領の閣僚もスハルト時代の政治家が多く、軍上層部に政府職への天下りを許したことでも周囲を驚かせた。

しかし、「Joko Widodo大統領は軍の支配を復活させようという壮大な計画など持っていない」とLaksmana氏は言う。それに対しPrabowo Subianto氏は軍人であり、大統領の直接選挙を可能にした改革を後退させようと目論んでいる。

もしこの元将軍が逆転勝利したら、多くのインドネシア国民が支持するシステムにとってどのような意味を持つかについて不安の声が上がっている。

「民主主義自体が危険に晒されている。シナリオとして可能性は低いが、もしそうなった場合の影響は非常に大きい」とO’Rourke氏は言う。

多くのインドネシア人たちは、どちらが勝つにせよ平和的な権力の移行を望んでいる。「誰が次の大統領になるとしても、敵意が残らないことを望む」とUntung Sri Rejeki氏(53)は話す。

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