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【ブルネイ】経済失速で国民の不満増加

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ブルネイ国王の管理する投資庁の利益が石油価格と共に落ちこみ、自然資源も底をつき始めている。
写真:Kamarul Dzaman Ajimain / EyeEms

元イギリス保護領であるブルネイおよび国王は、豊かな石油と天然ガスのおかげで何十年も好景気を享受してきた。

Hassanal Bolkiah国王の個人的資産は推定200億ドル(約2兆円)とされ、国王が監督するブルネイ投資庁の資産価値は400億ドル(約4兆円)とされている。

ブルネイに暮らす45万人の人々は、これまで長い間この富のおかげで無償教育と医療を受け、仕事がほしい人は誰でも政府提供の仕事に就くことができた。しかし、石油の値段と共に利益が落ち込んできた。 そして天然資源も底をつき始めている。

ブルネイは経済を多角化させるために中国の投資を誘致しているものの、若いブルネイ人たちは、以前の世代が享受していたような利益は経験できないだろうと考えられる。

シャリア刑法に基づき厳しい罰則を導入

72才の国王は絶対君主であるが、首相も務め、防衛・財政・外交も取り仕切っており、経済が停滞し、不満が高まっていることも認識している。

そこで、彼は国の大多数を占める、保守的なイスラム教徒層の支持を強化するために、シャリア刑法(イスラム刑法)に基づいて新たな厳しい罰則を導入した。

不貞と同性愛に対する、投石による死刑という最も重い刑が実際に実行されるのかどうかは不明である。

ブルネイの刑法にはすでに死刑の規定があるが、1984年の独立以来まだ一度も執行されていない。そしてシャリア法の元では容疑者が自白するか、または4名の証人が容疑について証言しなければならない。

それでも新たな刑罰に対して国際的避難が高まっている。

「ブルネイの新たな刑法は芯から野蛮であり、そもそも犯罪といえない行為に対して古代の罰則を課すものである」と、Human Rights Watchのアジア支部長Phil Robertson氏は言う。

しかしながら、イギリス女王の次に長く王座を守り続けているブルネイ国王は、ボイコットなどには影響を受けないと考えられる。

そして彼は、ブルネイの関心を中国へ、新たな石油精製所、ダムや道路などへの投資などに向けることで、人権に関して中国政府から批判を受けることはなくなると知っている。

以前にも最も有名なところでは、弟のジェフリ王子が国のお金を数10億ドル(約数千億円)使い込み、飛行機でモデルを呼び寄せて飲酒パーティーを開いていたとされるスキャンダルなどを国王は乗り越えてきた。


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