世界最大のイスラム教徒人口を持つインドネシアは、国際ハラル経済の原動力になることを目指している。
ハラル製品の飲食品・ファッション・ライフスタイル・医薬品・化粧品等の重要分野において量産と輸出入の基盤を持っている。
本報告書は、インドネシアがイスラム世界に主導的影響を与え、マクロ経済成長の原動力になるビジョンを前提としてインドネシアのハラル経済戦略ロードマップを説明する。
インドネシアが大きな可能性を持ちながら未だはっきりとしたハラル経済プランを持っていないこと指摘し、インドネシアが国際ハラル産業に主導的な役割を果たしていくための包括的な5カ年計画を提案している。
ハラル経済はインドネシア市場にとってどんな意味を持つのか?
トムソン・ロイター発表の2014年度世界イスラム経済報告によるとハラル経済は、構造的にイスラム法・価値重視型ライフスタイル及びビジネスに影響を受ける主要商品とサービスによって構成される。
ハラル経済はGDP成長と雇用創出にもはっきり現れる形で、ミクロ及びマクロ経済レベルでも成長の確かな原動力となってきている。
しかし、国際的なチャンスについてはどうだろうか?
ハラル経済は敬虔なムスリムの消費に支えられ、数兆ドル(数百兆円)規模のチャンスを提供している。本報告書に含まれる分野は、飲食品・医薬品・化粧品・モデストファッション(ムスリムファッション)等であり、またムスリムツーリズム・イスラムをテーマとしたメディアや娯楽・イスラム金融も新たに取り上げている。
インドネシアのハラル分野消費の様相は?
1,702億ドル(約19兆円)の支出があった2017年、最大の支出は飲食品で、次が洋服・靴の200億ドル(約2.2兆円)だった。
さらに、インドネシアはムスリムの海外旅行先として世界5番目の大きな市場となっている。
これら部門はインドネシアハラル経済において最も成長の早い分野だ。
化粧品では世界2番目、医薬品では世界5番目の大きな市場を抱えている。両方とも飲食品以外で確固たるハラル認証製品を開発するための重要な市場チャンスである。
最後に、インドネシアは国内のムスリムメディア・娯楽の世界5番目に大きな市場でもある。これはイスラム教をテーマにしたコンテンツを提供するための重要な市場である。
結論
2.2億人の、ムスリムを抱えるインドネシアハラル経済は、確かに世界最大のマーケットを提供している。
2017年、ハラル経済ライフスタイル市場において約2,180億ドル(約24兆円)を消費し、インドネシアはライフスタイル分野の海外企業にとって期待のターゲット市場となっている。
特に食品とファッションの分野でSharia(シャリア:イスラム法)基準を求める需要が次第に高まっている。若い層が殆どで、デジタル分野に疎く、熱烈な忠誠心を持ちながらも適正価格なら商品選定を変える事に対してもオープンなインドネシア消費者の需要を、よりよく理解することが重要である。
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