ビジネス

UAEでのハラル食品販売の注意点「翻訳とロゴの悲劇」

  • LINEで送る

UAEでは、ハラル商品には全てUAEのESMAハラルマークを表示する必要がある。
写真:foodnavigator-asia.com

By Tingmin Koe: foodnavigator-asia.com

誤解を与える翻訳と、ハラル・マークの欠如は、ハラル食品を販売する企業が避けるべき落とし穴である。
特にUAEでは、肉と肉加工商品、そして肉由来原料を含む商品にはハラル認証が必要である。

UAEではESMAのハラルマークが必要

UAEではハラルを称する商品には全て、UAEのESMAハラルマークが必要である。
このハラルマークは2015年にESMA(連邦基準化計測庁)が公式発表したもの。

正しいハラルロゴの見落とし

UAEを本拠地とするRaqam ConsultancyのMarketing Director、Hassan Bayrakdar氏に、UAEでハラル食品を販売する時に犯しがちな間違いについて聞いた。

Hassan Bayrakdar氏は、一部の輸入業者は要件を見逃し、正しいハラルロゴのついていない商品を買っていると話した。

「ほとんどの販売業者と輸入業者は、輸入品販売に技術的専門知識を持たず、最新の規定についても知らないことが多い。知識がないために、輸入商品が拒絶されてしまうことになる」

また、ESMA以外のハラルロゴのある商品が市場に出ており、法律が徹底されていないと言う。

商品情報法などの翻訳ミス

もう1つの重要な問題は、商品情報などの翻訳ミスであると彼は付け加えた。

「残念なことに、製造業者と販売業者が間違った翻訳をすることで、UAE市場ではこれが大きな問題になる。コスト削減でグーグル翻訳などを使ったり、アマチュア翻訳者を使用したりするため、間違った翻訳になっている。」

例えば輸入品のチューインガムが「Sugar with alcohol」を含んでいるために禁止されたが、これは実際はアルコールの全く入っていない糖化合物のことであった。

3年前にはミルカ・オレオ・チョコレート・バー に関連して同様のケースがあった。

「Chocolate liquor」という英語はココアペーストを意味するが、アラビア語に訳す時にアルコール飲料と間違って翻訳された。
この事件後ドバイ当局は調査を行い、混乱を避けるため誤訳が印刷されたラベルのある商品は全て回収された。

Hassan Bayrakdar氏によると、アルコール含有量がGSO基準より低ければ、UAEにアルコール入り食品を輸入することは可能だという。

ESMAが承認しているか

3つ目は、ESMA(連邦基準化計測庁)が承認していない認証団体を使うというのも、もうひとつのありがちな間違いだと彼は言う。

「公認のハラル認証団体だけが、UAEに輸入する商品のハラル認証を発行できる。」

UAEにハラル食品を販売する海外企業にとっては持続可能なビジネス成長のために非常に重要なため、規定変更などに注意する必要があるという。

「規定を遵守していなければ、商品は拒否される。つまり商品が元の国に返送されたり破棄されたりしてしまう。輸出業者は領事館やUAEに関係のある人と連絡をとり、やるべきことについて指導を受けるべきだ。そうすれば、持続可能で利益が生まれるビジネスになるだろう。」

ハラル規制の調和

ハラル規制を調和させる前に、それぞれの派閥の違いなどを整理していく必要があるとHassan Bayrakdar氏は述べた。

「例えば、屠殺(屠畜)のプロセスにも色々なやり方がある。屠殺前に家畜をスタン(電気ショックで気絶)させる方法もあれば、スタンを許可しない一派もある。」

また、食紅についても様々なアプローチがある。
例えばコチニールカイガラムシの卵と乾燥メスの殻から採れる赤い食紅「E120」の使用も1つの例である。

UAEはハラル規制を調和させる努力を主導している重要な国のひとつである。

12月のシンガポール訪問時に、ESMA(連邦基準化計測庁)は、シンガポールへESMAのハラルマーク使用についてのPRを行った。

UAE・シンガポールビジネス評議会が組織したこの訪問は、シンガポール当局関係者及びビジネスマンをターゲットとしていた。会議中に、ESMA(連邦基準化計測庁)長官Abdullah Al Maeeni氏は、UAEのハラルシステムを世界的に広めることは、UAEと他の国々との協力および経済的パーナーシップの機会を広げるだろうと話した。

また、2018年7月にはESMA(連邦基準化計測庁)はインドネシアのKAN(インドネシア国家標準庁、国家適合性認定委員会)との間で、 インドネシアのKANが発行したハラル認証を公認するという内容のMoU(覚書)に署名した。


原文:https://reurl.cc/WnK4x

関連記事:

中東:2018年飲食品関連記事Top10