
SMCCI(シンガポール・マレー商工会議所)はチキンナゲットなどの加工食品が中国のハラルフード市場の重要な需要のひとつであると特定した。写真:Pixabay
By Tingmin Koe: foodnavigator-asia.com
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SMCCI(シンガポール・マレー商工会議所)によると、食品原料・加工食品・インスタントフードが中国ハラル食品市場トップ3のビジネス・チャンスとなっている模様。
SMCCIは、これらの分野に特化したシンガポールのハラル食品ブランドを支援し中国ハラル食品市場参入を目指すと SMCCIのプログラム・マネージャーZaki Masturi氏は取材に答えて説明した。
ハラル食品原材料の例としては、ペースト、ソース等、ハラル加工食品にはフィッシュボール(魚丸と呼ばれ、中国アジアの一般的な食品)やチキンナゲットなどがある。インスタント食品としてはSatay(サテ:マレーシア、インドネシア料理。タレのかかった焼き鳥)やDendeng(鶏肉や牛肉のバーベキュー)などがある。
「SMCCIは、地元特有の食品や中国消費者に需要のある食品についても検討する。ムスリム諸国から中国へのビジネス流入により、中国市場におけるハラル食品に対する需要が高まっている。このためSMCCIは、我々メンバーにとって大きなチャンスになると感じている」とZaki Masturi氏は加えた。
ビジネス派遣団
SMCCIは、シンガポール食品会社の中国食品市場への参入を支援するために、15社ほどの企業を集めた中国へのビジネス代表団を毎年派遣する計画。
「SMCCIはエンタープライズ・シンガポールが助成金を出しているプログラムを通して、メンバーが市場を学び理解を深められるよう、中国へビジネス代表団を派遣します」とZaki Masturi氏は話した。
その後同組織は中国へ商品を輸出するために食品製造業者、レストラン、フランチャイズや他の業者などと可能性の高い10社のメンバー企業を定めて支援する。
「最低でもこれらの企業のうち50%が、MOU(覚書)、輸出合意、プロジェクトやフランチャイズなどを通して中国のハラル市場に参入してくれることを期待している」とZaki Masturiは付け加えた。
SMCCIが初めて中国にビジネス団を派遣したのは2018年6月で、訪問先は北京であった。
中国以外にもSMCCIは、ドバイ・韓国・日本・マレーシア・インドネシアに派遣を計画している。この派遣は飲食品分野だけでなく、小売や建設なども含まれる予定。
シンガポールの競争力
SMCCIは、シンガポールのハラル食品ブランドは競合に比べ高い競争力を持っていると言う。なぜなら、シンガポールのハラル認証は世界的に広く知られており、食品安全のために厳しい品質管理を経ているからだという。
Zaki Masturi氏はまた、シンガポールのハラル食材は「中国のハラル食品需要増大に対抗するのではなく、補完するものだ」と付け加えた。
現在、SMCCIの700会員のうち約27%が飲食品分野に属しており、全てがハラル食品製造認証を取得している。
近隣諸国の働きかけ
隣国マレーシアも、中国ハラル市場参入を計画している。
マレーシアでもシンガポール同様、市場参入を目指し中国出張を計画している。
「ハラル食品産業の需要が高まっている中国と日本の市場への参入に(グループ出張・商談訪問のような)プラットフォームを使う予定」と、マレーシア・ジョホール州の国際貿易・投資・公益事業委員会議長Jimmy Puah氏は地元メディアThe Star紙に話した。
同委員会はまた、UAE・オーストラリア・アメリカ・日本・韓国・シンガポールへも出張予定で、今年最初の訪問先はドバイの予定。
「ドバイへ行き世界最大食品展に参加する。食品加工分野に関心がある。ジョホールをハラル産業の拠点にしたいと思っている」と彼は付け加えた。
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