大栄フーズ、マレーシア寿司レストランにハラル海鮮品を提供
写真:foodnavigator-asia.com

 

シンガポールFOOD JAPAN2018展示会レポート

2018/11/12
By Tingmin Koe

 

大栄フーズが最近のマレーシアでの成功に勢いを得て、海鮮商品のラインナップを拡大する。

昨年3月にハラルビジネスをスタートし、7商品でマレーシアJAKIMの認証を受けた。

神奈川県を本拠地とする同企業は現在マレーシアの寿司チェーン店Sushi Kingに海鮮製品を供給しており、事業の拡大を計画中。

シンガポールFood Japan 2018で販売部執行役員 岡氏に話を聞いた。
「ハラル商品を開発に乗り出したのは、マレーシア消費者の依頼がきっかけ。20年以上にわたりパートナー関係を築いてきたSushi Kingは、ハラル寿司の先駆けになりたいと願っており、加工海鮮製品のハラル認証を弊社に依頼してきた。後に2年半かけ、トビコ(味付けしたトビウオの卵)と中華イイダコ(味付けしたタコの子)の2製品でハラル認証を取得した。これら2製品はハラル認証取得後、昨年3月からSushi King で販売を開始した。その後さらに5品目のハラル認証を取得し、今後販売していく予定。ハラルビジネスを拡大したいと思っている。だからこそ、さらに5商品のハラル認証を申請した。」

マレーシアで同社はSushi King以外にもハラル加工海鮮品を4社の卸業者に販売している。

さらなる海外展開を見据え、シンガポール、インドネシアおよび中東ハラル市場へ参入する意向。現在すでにこれらの国々に、非ハラル商品を供給している。

インドネシア参入のために、同社はインドネシアで事業を展開するマレーシア企業と協議中。

中東については、UAEとマレーシアのハラルに関する規制の連携の可能性を注視している。もしこの二国が規制システムを連携させれば、UAE当局に追加でハラル認証を申請する必要がなくなるからだ。

同社は今後、ハラル食品ビジネスの割合を現在の1%から5%へと増やすことを目指している。

ハラル製品の原材料はタイ、マレーシア、ベトナムやペルーなど複数国から調達しているが、製造過程は日本のハラル専門食品工場で行なっている。

ハラルと日本

日本のハラル市場はまだ取るに足らない規模だが、卸売業者と連携することで限界突破できると岡氏は言う。

大栄フーズが日本で直面した課題の1つは、ハラル製品を専門的に輸送する物流インフラがないことだった。そのため、ハラル製品を日本で販売することができなかった。

しかし、同社は日本にも流通を拡大できる可能性のあるハラル卸業者を見つけた。

「当社は日本でハラル卸業者を見つけて協議を進めています。卸売センターを通せばハラルフードを販売できる可能性がある。」と岡氏は言う。

The Starの記事によると、日本には約15-20万人のイスラム教徒が暮らす模様。

原文:https://reurl.cc/yVapO

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