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シンガポールのハラル起業家が、昨年打ち砕かれてしまったムスリム向けスーパーマーケットチェーン展開の夢を復活させる。
改宗イスラム教徒のRonnie Tan氏が経営していた、シンガポールで唯一のハラル認証スーパーマーケットベンチャー企業Global Halal Hubが大赤字となったため昨年8月閉店に追い込まれた。
しかし、現在は小売店Hao Halal Hubを運営する複合企業HAO Corpの副社長として、2020年までにシンガポールに100店舗のハラルスーパーを開きたいと考えている。
100店舗目標のきっかけ
「Ummah(ムスリム)に食料を届ける」という彼の夢が再び始動した。
「グローバル・ハラル・ハブが閉店になってから、Hao Martにスカウトされた。ハラルのポテンシャルは認識しているものの、ちょうど良い人材がいなかったため、実績の私が9月に副社長に就任した」とRonnie Tan氏は話す。
1万平方フィートもあったスーパーの閉鎖はRonnie Tan氏にとって大きな痛手だった。このベンチャーで個人的に約300万シンガポールドル(約2.4億円)損をした模様。
新たなプロジェクトは、シンガポール中に今までにないやり方でハラル食料や日用品を届けられるだけでなく、海外展開や食品製造業への発展も視野に入れている。
「今後は、100店舗のハラル・ミニマートやスーパーをシンガポール中で開店しようと考えている。これが第一段階」とHaoの運営担当副社長Jupri bin Suep氏は言う。
「次の段階では、食品加工の調理施設を開き、同時に海外へも事業を拡大する予定。すでにインドネシアのBinTang島に食品加工用の施設を計画し始めている」
「世界ムスリム人口は増大している。シンガポールでも近隣諸国でも、ますますハラル商品の利点と特有の品質について見識が増え続けている」
シンガポールのイスラム教徒人口は約120万人
シンガポール570万の人口のうち、そのほとんどがマレー人で構成されるイスラム教徒人口はすでに120万人ほどになっており、その数は今も増え続けている。
「店に入って100%ハラル商品しかないというのは、シンガポールではとても特別な事であり、これは他店と我々の大きな違いになる」とJupri氏は言う。
貴重なハラル商品を充実させる
Hao Halal Hub店舗は現在40以上の国々から商品を仕入れているとRonnie Tan氏は説明する。
「料理に必要な商品については、遠くはモンゴルや日本、そしてインドネシアやマレーシアなどから仕入れている。このような料理関連商品がシンガポールで人気があるから」と彼は話す。
「これほど様々なハラル商品は他のどんな場所でも買えない。インドやマレーシアのカレー、日本やインドネシアのクラッカーなどはDairy Farmersのような大手企業でさえ扱っていない。こういったポテンシャルがあるので、強力なビジネスコンセプトであるハラル史上に力とお金を注ぐ価値があると考えている」と彼は付け加えた。
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