
写真:Salaam Gateway/ Emmy Abdul Alim
クアラルンプールのJAKIM職員によると、食品以外のハラル認証についてガイドラインは設置されていないとのこと。
「現時点で、食品以外の品目については明確なガイドラインや基準は設けられていない」と、政府の他機関に最近異動した元JAKIM戦略局次長は話した。
その代わり顧客から受けた認証前の最初の要望に対して、認証団体を通じてJAKIM委員会に提出するべきとMuhammad Fahdi bin Mohamed Sobri氏は取材に応じている。
非食品の消費財ハラル認証について関心が高まっているが、「全ての商品にゴーサインが出るわけではない」という。
そもそもJAKIMとは?
マレーシアのハラル認証局。
マレーシアの政府機関でもある。
ハラル認証制度は、各国や国内のイスラム団体がそれぞれ持っており、認証の基準や制度はそれぞれが異なる。
中でも、マレーシアの認証機関であるJAKIMは厳しい基準を持っている。
おむつと整理ナプキンなど議論を巻き起こす
Muhammad Fahdi bin Mohamed Sobri氏は、おむつと整理ナプキンメーカーがJAKIMのハラル認定を受け関係者の議論を巻き起こしたことを受けこう述べた。
そこでSalaam Gatewayは、典型的ではない認証要求に対する各認証団体による対応の違いに焦点を当てた補足記事を発表した。
- タイヤ
- 銅製のバルブ
- タイル
上記に対するハラル認証リクエストを拒否する人々がいる一方、もともとハラルである蜂蜜を認証する必要があるのか、再利用可能な手袋はどうするべきか等、明らかに少し混乱が起きている。
全認証団体が制定した規定
JAKIMをはじめとしたマレーシアの全認証団体が制定した規定は、 Muhammad Fahdi bin Mohamed Sobri氏によるとハラル認証に保守的なアプローチをとっているようだ。
「認証に準拠するための主要な判断基準はその商品の目的による。消費者と直接触れるものかどうか、つまり食料や化粧品、医薬品などかどうかだ。」
品目が、JAKIMが認定する認証団体の認証を受けていれば、当局はそれが「受け入れがたい範囲でない限り」「一定の慎重さを持って」これを認める。
認証団体が準拠すべきガイドラインを適用
JAKIMは、認証団体が準拠すべきガイドラインを適用すると職員はつけ加えた。
しかし、既に認証団体によって発行された認証を、新しいハラル分野を開拓することに同意しないという理由で認証機関が取り下げることはできない。
これは、 認証団体が監査時にハラル基準を満たすと評価し、ハラルロゴの使用を正当化したからだとMuhammad Fahdi bin Mohamed Sobri氏は主張する。
「これに関しては我々はアドバイスと意見というサポートしか行えない。残念だが現時点では無駄な使用や操作を防ぐための、世界的なハラル認定整合性を保つための基準を擁護する明確な解決方法は無い」とMuhammad Fahdi bin Mohamed Sobri氏は言う。
ハラルロゴに対する見方が変わってきている
ハラル経済の変化により、ムスリムに限定されない消費者全体のハラルロゴに対する見方が変わってきていることを彼は示唆する。
「ハラルはその立ち位置を変化させており、今はムスリムのための宗教的必要条件というだけではなく、社会の中でハラルが実践的に擁護する衛生・健康・品質価値を理解するより多くの層のための安全基準になっている」と彼は言う。
しかしながら、ハラルの原理を超える商品の「Tayyiban(食べても良いもの)」という美徳に対する需要が高まっているにも関わらず Muhammad Fahdi bin Mohamed Sobri氏はそれらが相互的に規定されていく事はないと見ている。
これはおむつやナプキンにハラル認証が必要かどうかについて議論が巻き起こる中で、一部の認証関係者が議論している。これらの関係者は、メーカーがハラルロゴを使い元々ハラルであるはずの商品の「Tayyiban(ハラル認証によるポジティブな印象)」を示そうとしているのだと主張している。
「そうではないと思いますね、そのように適用されているとは思わない」とMuhammad Fahdi bin Mohamed Sobri氏は言う。「”Tayyiban”は良いという意味で、ハラルをより強く健全な価値へと高めるために使われる用語であるが、全ての“良い物”にハラル認証が必要とはいえない。商品をその利点に基づいて評価するだけでは、ハラル認証にとっては十分ではない。」
オムツのハラル認証が適切となった理由
JAKIMがなぜオムツと生理ナプキンにハラル認証を出すことが適切と考えたかについて JAKIMの政策基準担当の Muhammad Hawari bin Hassan氏は、「このような消費材はJAKIMが定義する人間の体に直接触れるものなので適格であった」と話した。
「マレーシアのハラル認証委員会は新しい申請を人と直接触れるかどうかによって評価する」と Muhammad Hawari bin Hassan氏は述べた。同委員会はその商品の需要、ハラルでない要素を含む可能性を考慮しながら申請を評価する。
昨年、自動車用洗剤で2016年に2度の試みを経てハラル認証を受けたマレーシアの企業Chemwayにも同様の過程でハラル認定された。ChemwayはJAKIMに対し、人間の皮膚に直接触れる商品なのでハラル認証が必要だと主張し認められた。
「十分な数の虚偽でない問合わせが様々な関係者に行われた時に初めて、その品目は認証に適していると見なされる」と Muhammad Hawari bin Hassan氏は述べた。
委員会はシャリア法の資格を持ち、ハラルに関して技術、規制面で経験を持ったメンバーで構成される。
Muhammad Hawari bin Hassan氏によると、委員会はまた、認定に的確かどうか判断するために詳細な検討が必要な件については全国Fatwa(ファトワー)評議会にアドバイスと意見を求めているという。
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