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高まる需要:ヘルシーでオーガニックなハラル認証kampungチキンがシンガポールの店頭に

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2019年4月24日シンガポールで開催された展示会Superfood Asia自社ブースに立つAquinaファーム運用担当マネージャー Oh Wei Chiat氏
写真:サラーム・ゲートウェイ/ Emmy Abdul Alim

 

(シンガポール)小売価格は通常の2倍にもかかわらず、マレーシア拠点のこの企業はハラル認証付きのオーガニックでHealthier Choice認証を持つ「kampung」チキンのシンガポールでの販売に自信を見せている。

Aqinaグループの「kampung」チキンを売り出す Aqinaファームは、2月末にオーガニック商品を発表し、5月ー6月にはシンガポールのスーパーマーケットの店頭に並べたいと運用担当マネージャーの Oh Wei Chiat氏サラーム・ゲートウェイの取材に答えた。

マレー語で田舎を意味する「kampung」チキンは、マレーシア・シンガポール・インドネシア原産の鶏で、主に茶色と赤のカラフルな羽を持ち、他の鶏肉に比べ脂肪分が少なくしっかりしていて、他の鶏肉よりも高く売られている。

Aqinaのオーガニックkampungチキンは普通のブロイラーよりの約2倍の高値で販売される予定。

「一羽21.9シンガポールドル(約1,700円)で市場に出る予定。通常のオーガニックでない鶏肉は、Sheng Siongスーパーで約10シンガポールドル(約800円)で売られている」とOh Wei Chiat氏は言う。 Sheng Siongはシンガポールで人気のあるスーパーマーケット。

Aqinaのオーガニック・kampung・チキンはシンガポールで他に例を見ない商品のため、比較の対象がない。

一般的な比較として、他のオーガニック(だがkampungではない)チキンは一羽およそ11シンガポールドル(約870円)で出回っており、オーガニックではなく(kampungでもない)通常のチキンは一羽およそ7シンガポールドル(約550円)で売っている。

Aqinaのオーガニック商品が高いのは、生産コストの高さに原因がある。 Oh Wei Chiat氏によると、コストが「少なくとも50%」高いという。

「主なコストは飼料から来る。“Healthier Choice”(認証)に準拠するためには、鶏のコレステロールと塩分を非常に低レベルに抑える必要がある」と Oh Wei Chiat氏は言う。

生鮮・冷凍肉についてシンガポール健康促進局が発行する“Healthier Choice”マーク、脂肪分が100gあたり10g以下、塩分が100g当たり120mg以下の肉にのみ使用できる。

また、オーガニック・kampung・チキンの成長に重要なとうもろこしベースの飼料もコストを押し上げている。

「飼料のコレステロール値が低いので鶏の成長が7‐8日位遅く、その分の飼料コストがかかる」と Oh Wei Chiat氏は付け加えた。

彼はこのオーガニック商品が、健康志向をより強めるシンガポールで増加する顧客層の支持を得られると楽観的に見ている。

Oh Wei Chiat氏によると、市場調査の結果は、人々はよりヘルシーな選択肢:コレステロールと脂肪分が少なく独特の食感を持つkampungチキンに興味を示していると言う。

Aqinaのkampung・チキンは、マレーシアの農業省からMyOrganic認証を授与されている。
同社はまた農業および農業関連産業省からMalaysican Good Agricultural Practice(MyGAP:マレーシア優良農業プロジェクト)認証も受けている。

マレーシアを拠点とする企業のシンガポールの子会社は、裕福者層をターゲットにしたマーケティング戦略を立てている。

「より健康意識が高く購買力の高い層をターゲットにしている。値段の問題があるため、全ての消費者がこの商品を受け入れると期待していない」とOh Wei Chiat氏は言う。

もうひとつのターゲットは、若い購買層である。

より健康的なライフスタイルを求める健康意識の高い若い世代もターゲットにしていて、この層はニッチ市場になるとOh Wei Chiat氏は付け加えた。

オーガニックチキンは値段が高いためまずは高級スーパーで売られる予定。

Aqinaのkampungチキンは完全な放し飼いではない。他の鶏の汚染から守るために囲いのある小屋の中で飼われており、その中で動き回ることはできる模様。

ムスリム・マーケット

Aquinaのチキンと加工プロセスはマレーシアJAKIMとシンガポールMUISからハラル認証を受けている。

Oh Wei Chiat氏は、Aquinaのハラル認証商品は全ての購買層をターゲットにしていると強調するものの、オーガニック商品はシンガポールのムスリム以外の消費者により早く売れると考えている。

「文化の違いのせいで、ムスリム以外のマーケットからの反応の方が早いと思う」と彼はコメントした。

主にマレー人からなるシンガポールのムスリムコミュニティーは、kampungチキンを普段あまり食べない模様。

マレー人にとってkampungチキンの肉は、レンダン(Rendang)など長時間煮込んで作るマレー料理には脂肪分が少なすぎると感じる可能性がある。

kampungチキンの肉が、彼らの想像とは違うことを知ってもらう教育活動に時間をかける必要がある可能性があり、同社は消費者にkampungチキンを試食してもらい、思うほど硬くなく、脂肪が少なすぎない事を示すために、マレーシアのスーパーで試食会を開いているとOh Wei Chiat氏は語った。

Aqinaはシンガポールのムスリム購買層にリーチするための最適なパートナー企業を探している。

グローバルな野心

Aqinaは1日に約1万2000羽、1年に約2百万羽の鶏を、シンガポール国境近くのマレーシアのジョホール州にある14の養鶏場で屠畜しているが、このうちオーガニックはほんの一部で、毎日屠畜されるオーガニック鶏は400‐500羽に過ぎないとOh Wei Chiat氏は言う。

同社は現在、約70%をシンガポールに輸出しているが、来年から輸出市場の拡大を狙っている。

「ブルネイとドバイから始める可能性がある。韓国も我々の商品に興味を示している」とOh氏は言う。

Aqinaがマレーシアとシンガポール以外で通常商品及びオーガニック商品を販売できるかどうかは、需要次第である。

「我々はマレーシアから商品を輸出する試みを行う。なぜなら中東はドバイ同様、マレーシアのハラル基準に大きな信頼を寄せているため。」