インドネシア:ハラルブームが食品以外にも波及、巨大なムスリム市場に参入

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インドネシア:ハラルブームが食品以外にも波及、巨大なムスリム市場に参入

マーケティング専門家のYuswohady 氏:「飲食品以外のブランドが、ハラル認証製品をPRすることは、インドネシアの2.6億人の総人口の90%を占める巨大ムスリム市場の心を掴む戦略」(Shutterstock/GeorginaCapture)

 

インドネシアで拡大を続けるムスリム消費者層は企業に対して、飲食品以外の製品に対してもハラルのラベルを付けることを促進させている。

ラマダン(断食)前に、シャープ・エレクトロニクス・インドネシアが、ハラル認証済み冷蔵庫を発売し、インドネシアで初のハラル冷蔵庫となった。消費者の中には、飲食品以外の製品にハラルのラベルが付くことに、困惑する人もいる模様だが、メーカーは「冷蔵庫は食品を保管するもの」だとラベルの必要性を主張。

「ハラル冷蔵庫の意味とは?冷蔵庫の材料がハラルという意味か?理解できない。単なるマーケティング的要素?」 Ifad Maulidi氏はハラル冷蔵庫について聞き、そう感じた。

23歳の銀行家である彼にとって、飲食品および化粧品についてはハラル認証品を探すが、電化製品のハラル認証は新しい概念である。

インドネシアのハラル認証機関MUIは化粧品以外にも、非飲食品のハラルラベルの増加を確認している。2016年に、ヒジャブ(女性の頭用スカーフ)製品ブランドZoyaがヒジャブで初のMUIハラル認証を取得したという広告を発表。この広告は他のヒジャブ生産者に波紋を呼んだ。後に、ZoyaのクリエイティブディレクターSigit Endroyono氏は、広告の中で他社のヒジャブ製品がハラーム(ハラールの逆で、イスラムで許されないもの)と言及したことにつき、バンドン(西ジャワ)でのプレスカンファレンスで謝罪した。

しかしこの「ハラルヒジャブ」を取り巻く論争によって、他企業が追随することとなった。Total Almeeraの洗剤や、Softex の衛生パッド、Power Cat のキャットフードやMedina のプラスチック食品容器などがハラル認証を獲得した。

MUIの食品・医薬品・化粧品(LPPOM)ディレクター、Lukman Hakim氏は以前よりも飲食品以外の認証の要望が増えていると述べた。

Lukman Hakim氏によると、冷蔵庫に対するハラル認証要求はMUIにとっても新しく、冷蔵庫の原材料についてハラルかどうかの質問があった為、それに答える必要があった模様。

冷蔵庫のハラル認証に対し、MUIは他の製品と同じ認証ステップ・基準を導入した。それらは食品保存エリア、保存トレイなどの原材料がハラルかどうかや、製造過程での非ハラル物質の混入(コンタミネーション)の可能性を含む。

MUIが製品の認証を行う際には、ハラルの基準に準拠しているかどうかだけに焦点を当て、なぜその製品がハラル認証を必要とするかのブランドとしての動機についてはMUIは言及しない。

インドネシアでは、ハラルラベル付製品数は毎年増加している。2012年には3約3万製品だったのが2017年には約13万製品と4倍以上に成長している。

インドネシアのハラルブーム

マーケティング専門家のYuswohady 氏は「飲食品以外のブランドがハラル認証製品をPRすることは、インドネシアの2.6億人の総人口の90%を占める巨大ムスリム市場の心を掴む戦略」と述べた。

インドネシアのムスリム市場は、宗教的な神と人間の垂直的な広がりだけでなく、人と人の間の水平展開という広がりも加えた形で2010年から上昇を開始したとYuswohady氏は述べる。水平的なイスラム宗教の広がりは、インドネシアのムスリムが、シャリアやイスラム的価値観に基づいてどのように生活するかという点について影響を与えている。

「今ムスリムは、シャリアに基づき、何をどうやって着て、何を食べ、どうやって金融をコントロールするかについて気にしている。これらを、シャリアの深遠さと呼ぶ」と彼は述べた。

Yuswohady氏は、ハラル認証製品のトレンドは、2020年の来年まで増加し続けると予測する。33/2014の法律で、全ての飲食品、化粧品および医薬品が、2019年までにハラル認証の必要があると定めている為。

しかし、3つ以上の分野ではハラル認証は企業にとって諸刃の剣になりかねない。

Yuswohady氏によると、シャープがハラル認証の冷蔵庫を発表したことは、マーケティング戦略として問題ないと考えられる。なぜなら冷蔵庫は食品や飲料に関係しているものであるため。

一方でYuswohady氏は、メーカーはハラルマーケティングにおいて慎重に行うように警告している。消費者の中には、このようなハラルに関する宣伝が売名行為だと感じる人もいて、裏目に出ることがあるためである。

南ジャカルタの住民のTikiは、飲食品、化粧品についてはハラルのラベルを気にしているが、柔軟剤などの製品にハラルマークを貼ることに関しては、微妙だと感じている。それは企業側はマーケティング戦略といえるかもしれないが、消費者にとっては論争につながる可能性がある。