マレーシアのハラルB to B ECプラットフォーム DagangHalal, Zilzar, AladdinStreet:彼らは今どこに?

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マレーシアのハラルB to B ECプラットフォーム DagangHalal, Zilzar, AladdinStreet:彼らは今どこに?

(クアラルンプール)アリババ、アマゾン、eBayは1994 – 1999年に創設され世界的EC巨頭へと成長した。マレーシアでもECブーム後、ハラルプラットフォームDagangHalal、Zilzar、AladdinStreetが、グローバルのイスラム経済を追いかけ、2007-2016年の間に創設された。彼らは今どうなっているのか?

国家統計局の最新データによると、マレーシアのECプラットフォームは2016年にGDPの6.1%、746億リンギット(約18.3億ドル)という金額の経済効果をもたらした。
マレーシアのEC産業におけるハラル分野のマーケット規模については確かな数字は無いが、貢献度のポテンシャルは非常に高いと政府系機関MEDC(Malaysia Digital Economy Corporation)は言う。

しかし、マレーシアを代表するハラル取引ECプラットフォーム3社:DagangHalal、Zilzar 、AladdinStreet: これらはまだ成功しているとは言い難い。

DAGANGHALAL

3つのプラットフォーム中、DagangHalalは、約4.2万ポンド(当時610万ドル)の成長でロンドンの2016年ISDX Growth Marketにもリスト入りしており、最も公開された情報とデータを持つ。

DagangHalalは世界的なハラルBtoB交易プラットフォームのパイオニアとして、2007年に始動した。また登録した小売業者向けが自社サイトを作れるECソリューションも提供する。

CEOのAli Sabri Sani Abdullahは取材に対しDagangHalalの商品・サービスが着実に成長していたことをコメントしていた。2013年にはHVE(Halal Verified Engine)と呼ばれるハラル認証を検証するシステムを始動し、2016年末にはハラル認証団体が使用するためのHAAS(Halal Application Approval System)と呼ばれるハラル申請/認証システムを追加した。

HAASは、ハラル認証の申請および更新において申請者側と認証団体のすべてのプロセスを管理することを可能にする。DagangHalalは現在マレーシア国内ハラル認証42団体、海外約120団体とパートナーシップを持つ。

最近では異なる方向性を持っており、2019年1月にMeembarという最終消費者向けのAppをリリースした。これはハラルレストラン・ホテル・モスクなどを色々な国において検索できるもので、既に35万回のダウンロード数を達成している。

CEOは取材の返答のEmailの中で、この2年はソフトウェアソリューションに集中していると述べた。「MeembarはHAASによって集積されたデータを活用した1つの例。来年、早ければ今年度中には全情報を統合していけると考える。Meembarが相当数のアクティブユーザーを獲得した後、コンテンツなどの有償化によって大きな利益が出るポテンシャルを持っている。」

財政的には、この会社は2017年半ばに落胆するような業績を発表したが、取材に対して彼らは反論材料を提供している。(いずれにせよ)株は2017年の会計報告に落度があったことから取引を停止している。

2016年の年度報告では、プラットフォームのアクティブなユーザー(業者)は前年度から37%増加し5,022社であることが述べられている。

しかし、収入に関しては463万リンギット( 11.3億ドル)と16.7%下落し、2015年末には1,500万リンギット(36.9億ドル)の赤字であった。

DagangHalalはマレーシア政府イスラム庁のJAKIMとHVE(Halal Verification Engine)などの商品分野で特に密接にリンクしている。また他の政府系エージェント、MTDC(Malaysian Technology Development Corporation)も9%のDagangHalal資本を保有している。MTDCは マレー主権財閥ファンドKhazanah Nasionalの完全子会社である。

最近のマレーシア政府の変化と会社との関係について、CEO Ali Sabri氏はハラルマーケットは常に(マレーシアの政治に)関連がある、とだけ答えた。「我々のメインフォーカスは常にムスリムに情報を整理し提供することだ。」

ZILZAR:停止

Zilzarは2014年10月のWorld Islamic Economic Forumで、前首相Najib Razak氏によって颯爽と始動した。2015年9月にはCEO Rushdi Siddiqui氏は取材に対し、Zilzarの目標はAlibabaのハラルサプライヤー数を超えることだと述べていた。

現在、B to Bプラットフォームの運営管理およびサブスクリプションサービスは停止している。会社のビジネスリレーション部門Fazmi Zakaria氏は、資金調達面で色々な衝突があったと述べた。

2014年にマスターカードはムスリムのライフスタイル市場での主導権を得るためにZilzarと支払いゲートウェイでパートナー契約を結んだ。しかしマスターカードは現在のZilzarの現状についてのコメントを拒否している。

Fazmi Zakaria氏は現在、もっと多くの資金を会社に投入できるよう投資家を募っている途中である。Zilzarの運営は停止しているが、プラットフォーム自体はベンダーマッチングのために引き続きオープンの状態である。

Zilzarのライフスタイルに関する出版機能はまだ動いており、広告、ブランドパートナーなどの機能が搭載されている。これらはマレーシアのハッジ(メッカ大巡礼)ファンド、Tabung Hajiとのパートナーシップのもとに進められており、彼らは(資金的な)アプリ開発プロジェクトの中心的存在でもある。

Zilzar.comの創始者Vaseehar Hassanのコメントは記事執筆時までには届いていない。Rushdi Siddiqui氏は2016年に会社を去り、CEOの座は空いたままとなっている。

ALADDINSTREET

AladdinStreetは2016年1月に「世界発のプレミアムハラルEC」としてマレーシアの著名な宇宙飛行士Sheikh Muszaphar Shukor氏によって創設された。2016年4月のインタビューでは、初年度7.5憶ドルの売上、3年以内に1,500社が3万商品を供給することを目標としていた。

中国市場に追随するため蘇州オフィスを2017年後期にオープンしたり、イギリスのサッカーチーム・マンチェスターユナイテッドに数年間のスポンサー契約を行ったりしてきた。

広報は、AladdinStreetにとってマレーシアはもはや優先市場ではなく、グローバル市場にフォーカスを移していると語り30か国でのオペレーションを予定していたが、現在はマレーシア、シンガポール、中国、インドネシアとカザフスタンのみでの運営にとどまっている。

AladdinStreetからはその他のコメントは入手していない。プラットフォームは依然機能しており、新しいベンダーも追加されている。

国家レベルの奮闘

MATRADE (The Malaysia External Trade Development Corporation、マレーシア輸出促進機関)の副CEO 、Wan Latiff Wan Musa氏は、従来の古びた方法に比べ、ハラルECプラットフォームはより効率的なコストでより多くの海外と接点が作れる、マレーシア国際貿易を成長させる1つの道であると取材に対し語った。

2016年にマレーシア政府は、ECによるGDP貢献度の向上を狙いとし、NeSR(National eCommerce Strategic Roadmap)という国家EC戦略ロードマップを打ち立てた。2016年にはEC市場は746億リンギット(18.3億ドル)規模であったが、2020年に約3倍の2,110億リンギット(51.8億ドル)へと押し上げる狙い。

国家レベルの努力の一部として、MDECは2017年末にDFTZ(Digital Free Trade Zone、デジタル自由貿易区)の立ち上げと展開についての構想を取材に対し明かした。これは中国EC巨頭のAlibabaがマレーシアの堅実なEC空間の成長に注目しパートナーシップを組んだことによる。

6月に、Mahathir Mohamed首相はAlibaba集団総裁Jack Maと、新政府が北京を背景とするプロジェクトを前政府で始動していたものを継続させる誓約を行った。

ハラル市場の展望

統計局によると、マレーシアのハラル商品輸出は2017年は9,354億リンギット(2,420億ドル)であった。しかしMATRADEおよびHDC(Halal Industry Development Corporation)のデータから計算すると、成長率は2.6%にとどまり、2016年の7.1%から減退している。

MATRADEのWan Latiff氏はこれらの悲観的展望をはねのけるように、MATRADEは引き続きマレーシア企業がグローバル輸出分野のチャンピオンとなれるようサポートし、関連企業とともに地元企業をハラル産業へ導くと語った。

またWan氏は、関連企業へのマレーシア企業ビジネスの世界的プロモーションの委託は、国家の貿易アジェンダの一部としてフォーカス分野にハラル分野を含んでいると言及。

これらの成果の1つとsちえ、MATRADEはマレーシア輸出業者が国際的なEC市場にアクセスすることを助ける、eTrade(オンライン貿易)プログラムを始動した。この15のプラットフォームの中でAladdinStreetとDagangHalalも現在参加している。

現在MATRADEは15プラットフォームを、毎年行われている貿易展示会、MIHAS(Malaysia International Halal Showcase)と接続して、より多くのハラル産業プレイヤーの目にとまるようにしたいと考え準備を進めている。

「ECおよびB to Bハラルプラットフォームを強化することは成長のダイナミズムにマッチする。結果としてグローバリゼーションとメガトレンドが追随する。」とWan Latiff氏は言う。

「次の成長としては、カスタマーに対するサービスの向上、そして単なるECプラットフォームからエンドツーエンド型サービスの提供への進化、さらにすべてのプロセスがハラルに準拠することが確証されることが必要である」

原文:https://reurl.cc/LrpWy